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タイトル :インジケーターの弊害
配信日時 :2021/12/25(土) 06:30

本文:

『価値あるものと見なされるこの世の全ての楽しみと比べてみても魚とり
これに勝るものはなし』

『説教する人、物書く人、専制する人、戦う人。利益の為か、娯楽の為か、
いずれにしても最後の勝利者これ魚とり』
By トーマス・ダーフィー 「釣り人の歌」
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大井です。


ユーロニンフでもマーカーでも、

多くの人は、インジケーター(目印)を重要視します。


目印が見えていなければ、

どこを流れているのかわからない、とか、

マーカーが浮いていなければ、

どこを流れているのか分からないし、

当たりが取れない、


と。



ところが、

このインジケーターばかりに意識がいっていると、

もっとも意識しなければいけない

水中の生体感知が著しく低下します。



毛針がどこをどうドリフトしているのかも、

意識できていないでしょう。



そもそも、

インジケーターに出る当たりは、

当たり全体の半分行くか行かないか、

ぐらいではないでしょうか。(正確には分かりませんが)




ウエットのスイングや

ストリーマーのガン引きでは、

向こう合わせてフックセットしますから、

さほど当たりの瞬間に神経を集中させなくてもなんとかなります。

もちろん、当たりの取り方にはテクニックが色々あると思います。




ニンフィングの面白いところは、

出ない当たり、気づかない当たりを、

どう取るかが、大きなウエィトを占めているということです。



何が言いたいかというと、

目印とかマーカーとかインジケーターとか、

そういう人間の都合は一旦全て捨て去って釣りをしてみると、

視野は広がり、感覚が広がり、研ぎ澄まされていくということです。



野生を取り戻せる絶好のシチュエーションです。


「野生を封じ込める教育」を受け続けた我々は、

その歪の中で、喘ぎながら生きています。

気付いていないだけで。



マイノリティーを恐れ、

孤独を恐れ、

直感より群衆の動向に迎合する。




余談ですが、

源流域では、

大きくごつい岩や石で自己主張し個性豊かだったのが、

下流に行けば行くほど、

まあるく小さくこじんまりとした石や砂利になります。


どれも皆同じ。

差はない。

価値もなくなる。




しかし、

私はまあるく小さくこじんまりとはしなくないので、

だから、釣りをしているとも言えます。



角が取れた、とか、

周りに合わせて無難にとか、

肩書きだけで人を判断するとか、



そういうのを聞くと、

「冗談じゃね〜な」

と、思いますし。



角はますます尖り、

周りとは逆を行き、

肩書きをごり押しする人間にはカウンターを食らわし、

そして、同じ方法論で魚を釣るという。




話が逸れましたが、

マーカーニンフィングでは、

人間の注意は、マーカーに集中します。

決して、水中にあるフライの動きには注意はいきません。



とにかく、

流れにトレースしたら、マーカーの動きだけを目で追い、

当たりを逃さないように集中します。



つまり、

フライの動きなど二の次三の次なのです。



もちろん、

上手い人は、マーカーと毛針の動き両方を捉えながら

釣りができるでしょう。



しかし、多くの人は、

全神経を毛針に集中することはできない。

目印がある以上。



毛針がどこをどう流れているか?

ここが重要です。


毛鉤と魚がシンクロした瞬間。



ここを意識して釣りをするだけで、

釣果は上がります。




Tight Line!







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