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タイトル :フライキャスティング タコ理論
配信日時 :2020/05/24(日) 06:00

本文:

『価値あるものと見なされるこの世の全ての楽しみと比べてみても魚とり
これに勝るものはなし』

『説教する人、物書く人、専制する人、戦う人。利益の為か、娯楽の為か、
いずれにしても最後の勝利者これ魚とり』
By トーマス・ダーフィー 「釣り人の歌」
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大井しょうぶです。

世間は、
ようやく釣りにも行けそうな雰囲気になってきたので、
今回は、具体的な釣りのテクニックについての
うんちくを幾つか話してみたいと思います。

芸事と芸術の話は、また機会をみて。



■フライキャスティングの原理

なんだかんだで、
キャスティンングの上手い下手が、
フライフィッシングの上手い下手をほぼ決めると言っても過言ではありません。

なので、
キャスティングの原理が分かっているか否かが勝敗を分けます。

ところで、
キャスティングの原理ってなんでしょうか。

枝葉の技術を細かく見て行けば、
途方もなく理屈はあります。良くも悪くも。

ポジティブストップ
ストレートライン
アッパーレグ
ロウアーレグ
クリーピング
etc・・


でも、
その大元の考えは、
しなやかな復元力にあると私は思います。

キャスティングは乱れる。
ちゃんと飛ばない。
思ったところに飛ばない。
ライントラブルばかりだ。

こういう現象になるのは、
しなやかさが足りないことがほとんどの原因です。

そして、
ちゃんと復元していない。

逆の言い方をすれば、

ガチガチである。
パワーロスが大きい。

こういうことです。


ちょっと前、渋野日向子が、

「タコのようにスイングさせる」

みたいなことを言っていましたが、
まさにその通りだなと思います。

要するに、
できるだけ脱力し、タコのようにフニャフニャになり、
それで、ドライバーを打つということです。

力ではなく、しなりです。

これは、そのままフライキャスティングにも当てはまります。

飛ばない原因。
コントロールが悪い原因。

これは、力の入りすぎです。

飛ばしたい。
釣りたい。

という思いが強ければ強いほど、
力んでガチガチになり、視野は狭くなり脳内血流も悪くなり、

結果、釣れないという現象になって現れます。


過去、私がよく経験したことは、

釣り場について、すぐに釣れた時というのは、
力も抜け軽快にキャストができ、良い釣果に繋がるんですね。

しかし、
なかなか釣れず、そうこうしている内に、
後から来た人がコンスタントに釣っているという状況になった時は、

釣りたいという焦りから、
気づけば、ガチガチの力でロッドを握っていることが良くありました。

これでは、しなやかさも美しさもありません。
パワーロスばかりの復元力では、飛びません。

こういう時、
タコのようにフニャフニャになり、
身も心もフニャフニャになり、

リセットして釣り始めることがいいと思います。

しかし、
そのフニャフニャな「概念」を最大限生かす為には、
核となるもの、芯となるものが、
また、なければいけないということも忘れてはならないのです。

ブレてはいけないもの。

なのですが、
フライキャスティングの難しいところというか、
面白いところは、

そのブレてはいけないところ、
核となる部分が、可変性があるというところですね。

つまり、
起点となる箇所が、移動し変化していくんです。

起点ではあるけれど、
そしてそこはブレてはいけないんだけど、
移動し変化していく。

それは、
肘であったり、肩であったり、膝であったりする訳です。

ショートキャストなら、手首あたりが支点でいいのですが、
ラインが長くなれば、支点は下がっていくのです。

だから、
個人差が大きく、
同じように振っているようで、全く別のループが出来たりするのです。

初心者の方が気をつけなくてはいけないことは、
まず、力を抜くことです。

脱力し、タコになることです。(笑)

柔らかくグリップを握り、
タコキャスティングをしてみてください。

その上で、
止めるところはスパッと止めるのです。

ロッドを止めるのに、投げる力は入りません。

止めた時に、ロッドがぶれないように、
ロッドを保持する力だけでいいのです。

これが、
美しいキャスティングループを作るコツです。

まず、自分で試行錯誤してみてください。
もし、壁にぶち当たって行き詰まったら、
私に連絡してレクチャーを受けてみてください。



ところで、

自然回帰が求められる時代において、
フライフィッシングという視点は、かなり魅力的だとは思います。

人が動かなければ、自然は息を吹き返します。

川は綺麗になり、魚は川へ戻り、空気は澄み、
土壌は豊かになり、本来の野生の循環を取り戻します。

もちろん、そこには綺麗事では済まない矛盾が多々存在します。
人間にとって。


後は、それをどう観察し表現していくか、ですね。
生かすも殺すも、私やあなた次第です。



それでは、また次回。


Tight Line!







私に何か聞いてみたいことがありましたら、お気軽にご連絡ください。
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■伝えたいこと

本当は・・
私たちはもっともっと本来の自分の求めているライフスタイルを実現するべきなんです。
そのことが、生きる意味だとも思います。

少しだけ今までより半歩前へ踏み出すだけで、
それは実現へと向うのは分かっているのに、何となくやらないでいるだけです。

フライフィッシングをライフスタイルの中に取り入れましょう。
沢山の喜びと癒しと学びを、得ることができるでしょう。

あなたの人生を、自身の手で心地よく作り上げていくには、
フライフィッシングというスタイルはとても素晴らしい選択の一つであることは、間違いありません。

そのことを、伝えていきたいのです。
フライフィッシングのイデア(理想、哲学)を表現していきたいのです。



【フライフィッシング イデア】

「芸術であり、スポーツであり、哲学であり、ハンティングであり、祈りである」





そして私は、釣りを釣りで終わらせたくありません。

これからの時代は、

「釣りを釣りで終わらせない」

思考能力が必要だと思っています。

何故なら、史上最高の激動の時代(カオスの時代)に我々は生きているからです。


資本主義は限界値を超えている
AI(人工知能の台頭)
情報の氾濫につぐ氾濫
近隣国の不穏な動向


釣りをする為にロッドはありますが、
世界観を押し広げる為の大切なツールでもあるのです。


視野の広さ、洞察力、直観力、主体的に考え抜く力。
これらを、釣りという楽しい遊びを通して身に付けていくべきです。
でないと、もったいなさすぎます。

だから、時には釣りと直接関係ない話や、
ちょっと挑発的な問い掛けもするかも知れません。

でも、そのことであなたがインスパイアーを受け、
何かに気付き、何かの行動の起爆剤になれるのなら、
私は、そのことが非常にうれしいのです。


我々の時間は限られています。
人の人生を生きるのではなく、
自分の人生を自分自身で掴む為にロッドを手に取るのです。




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