【フライフィッシング進化論】 バックナンバー一覧

戻る

タイトル :釣りは「うまく」あってはいけない
配信日時 :2017/07/30(日) 22:00

本文:

『価値あるものと見なされるこの世の全ての楽しみと比べてみても魚とり
これに勝るものはなし』

『説教する人、物書く人、宣誓する人、戦う人。利益の為か、娯楽の為か、
いずれにしても最後の勝利者これ魚とり』
By トーマス・ダーフィー 「釣り人の歌」
-----------------------------------------------------------


大井しょうぶです。




昔、


芸術は心地良くあってはならない

芸術はいやったらしい

芸術は「きれい」であってはならない

芸術は「うまく」あってはいけない



という言葉に衝撃を受け髪の毛が逆立つような興奮を憶えた。



いてもたってもいられずに、家から飛び出し、
高崎は、慈光通りの8の字コースを車で爆走した。


いい大人になってからだ。
音楽に八方塞がりで、暗闇の中を彷徨っていた頃だ。



それでいいんだ。
技法なんてどうでもいいんだ。
俺はおれでいいんだ。

感じるままでいいんだ。


という、自由と、抑圧された続けたエネルギーが一気に噴き出る思いだった。



岡本太郎という人は、何はともあれエネルギーに満ち溢れている。
時代の卑屈さなどへともしない。全てを越えようとしている。



この言葉を太郎さんが吐き出したのは、1954年に刊行された、


「今日の芸術」
http://amzn.to/2uzwyWC


という本の中だった。



1954年といえば、戦争が終わって10年も経っていない。


その時代に、まだまだ混乱と絶望と猥雑さでうごめいていたであろう日本の中で、

こう、宣言したのである。


何とも、先駆的な爆発するエネルギーを持った言葉ではないだろうか。



そして、今の時代にも十分確信を突いた言葉である。
というか、今こそ必要な言葉にさえ思われる。


この本を読んで、血が逆流するような興奮を憶えないようであれば、


それは、


「感性を殺されている」


といっていいかも知れない。



もしそうなら、命がけで、

もともとあった「感性」を取り戻さなければいけない。

日々、じわじわと殺され続けてきたあの頃の「感性」を。




そんな感じで、昔、

芸術という観点で、世の中を見渡してみた。


分かったふりしてピカソやゴッホやダリなどの絵画を鑑賞してみたり、

アンディーウォーホールのポップアートの雑誌を買ってみたり、

サイケなロックを聞いてみたり。

インドに興味を持ってみたり。



時は流れ、フライフィッシングに出会い、

釣具量販店である羽を発見したとき、


これが一番なんじゃないかとさえ思った瞬間があった。




それが、

ピーコック。

孔雀の羽。



何と言っていいのか、その色彩の複雑さに心奪われ、

怪しく煌びやかなな光を放つ存在感にくぎ付けになった。


ピーコックアイの円形模様の重厚で複雑でスペクトラルな色はいったい何という色なのか?

あのメタリカルな色は何という色なのか?



表現しようがない。

例えようがない。



だからピーコック色である。



様々な芸術と呼ばれる何かを見たりしたけれども、

ピーコックの色彩にはかなわない。

そう、思った。


だから、

ピーコックを前にしては、

ピカソもゴッホもくすんでしまう、私の前では。


あの複雑で深い煌びやかさは、人間の手では作り出せない、


と言っていい。



青という色をとっても、


もっとこう、複雑な深さというか、青の中にも様々な色が入り混じっているような、
一言で青とは言えないような複雑さと深さが私は欲しい。


その上で、バ~ンと周りにエネルギーが爆発的に放たれている、というイメージ。


でも、これがひじょ~~に難しい。



そこいくと、ピーコックという羽は、
どう言葉にしたらいいかわからない複雑な色彩と光が絡み合っているんだ。

エネルギーを放っている。


孔雀の複雑怪奇なほどの色彩。


これは、誰も再現できないし、そもそもこんな色合いを思い付くはずもない。


岡本太郎もピカソも、ゴッホも。
誰も、この色を超えることはできない。

なんという色なのか言葉にならない。


だから、ピーコック色というしかない。


ほかの何色でもない。


ピーコック色である。



こういう羽を使って意のままに遊べる毛ばり釣りというのは、

芸術を超えた芸術である。


と、思ったリするんです。





さて、

話しは広がってしまいましたが、




きれいであってはいけない。

心地よくあってはいけない。

上手くてはいけない。

いやったらしくていい。


この概念の持つエネルギーは想像を超えてすごい。


圧倒的な自由がある。


時代が違えば、一つの国さえ変えてしまうほどだと思う。







最後に、私はこう言いたい。




釣りは心地良くあってはならない

釣りはいやったらしい

釣りは「きれい」であってはならない

釣りは「うまく」あってはいけない




こうでなくちゃね~。突き抜けた感覚。

新しいフライフィッシングの概念。



枝葉のテクニックに惑わされているようじゃ、まだまだだ。



ヘンテコなキャストでいい。

ゴミのようなフライでいい。

いやったらしくていい。



今のそのままで川と対峙せよ。


自分と対峙せよ。


爆発させるんだ。



いや~、清々しますよ。






ps、



私は彼の言葉に「知性」

という言葉を付け加えることで、より先鋭的なバランスが取れると思います。


知性があった上での言葉でなければ、単なる野蛮に成り下がる恐れがある。


野蛮は野蛮でしかない。


知性を持って突き抜けたいのである。






Ps2


岡本太郎さんは確かこう言っていた。

人間が作り出した最高の芸術は、エジプトにある、と。

あのいやったらしい煌びやかな色の使い方に、ただただ圧倒されると。

(言い方は違っていたかも知れない・・)


そういえば、

エジプトの煌びやかさとピーコックの煌びやかさに多くの共通するものを私は感じます。




それで、

もう少し深く岡本太郎という人間を観察してみると、

彼は、若い頃パリに留学していて、バタイユという人間と出会っている。

彼の思想、行動基準には、バタイユの影響を強く受けているのが分かる。


ジョルジュ・バタイユ。

彼を一言でいえば、人間の自由を抑圧する全てに反旗を翻した人間、哲学者。


岡本太郎という人間も、日常の引力から抜け出し自由な発想を可能とした環境があったからこそ、

後に、先駆的な作品や爆発する言葉を生み出せたのだろう。


日常の引力から徹底的に逃げ出し、無重力な感覚の中で釣りをすることは、

やはり男にとって、最重要課題である気がしますね。







Ps3


日本の昔からのフライって、どちらかというと

枯山水のようなイメージがあります。


くすんだ色。

はっきりしない色。

わびさび。


これはこれで趣はあるとは思うんですが、


ギラツイたフライ。

煌びやかなフライ。

節操のないフライ。



こういうフライで釣ると、より自由を感じますね、私は。

ユーロニンフは、こういった感性が激しくぶつかり合っています。










■■■人気コンテンツ■■■




■ヨーロピアンニンフィングとは?
http://www.flyfishing-japan.com/shop/fwd3/whyEN

45度クワド理論はトレース方法の黄金比率です。
テンポよく切れ味の鋭いニンフィングができます。北海道でも川をチェックするように釣れまくりました。




■ヘンズGPXツーインワンフライロッド
http://www.flyfishing-japan.com/shop/index.php?Hends%20Rod

9フィートでドライフライ、10フィートでユーロニンフィングをプレイできる優れたロッドです。
ドライフライロッドとしての性能も良く、抜けのいいキャストができテーリングの少ないタイとループが作れます。

一人二役、いや一人三役ぐらいの仕事をするロッドです。
北海道釣行でも使用し、ライズフィッシング、ニンフィングと大活躍でした。




■フライキャスティング無料講座
http://www.flyfishing-japan.com/shop/fwd3/castingfree

動画で基本を練習し、スクールで上級者を目指してください。
たった一言のアドバイスが、あなたのキャスティングを劇的に向上させることもあるのです。

スマホで動画を撮ります。当日の私の解説をあなたのスマホで撮ってください。
溢れるようにアドバイスを行いますので、メモ筆記用具、スマホは必須です。




■スターターキット
http://www.flyfishing-japan.com/shop/fwd3/start

まずは、このキットで体験してください。釣れる要因がわかるはずです。
サープラスノットは、いい仕事をしてくれます。




■完成品チェックニンフ
http://www.flyfishing-japan.com/shop/index.php?Czech%20Champions%20Nymphs%208set

シンプルだけど釣れるんです。応用範囲も幅広い。
コマーシャルフライには、ありそうでないのです。



■タイイングセットコンプリート
http://www.flyfishing-japan.com/shop/fwd3/TyingCompleteSet

量質転化を図るには、このセットで大量に巻くことが一番の近道です。
個々で揃えるより断然リーズナブルです。特にジャンのセットは安くお勧めです。




■北海道フライフィッシング
https://youtu.be/1uW7PGP4vPc

強者レインボー50オーバーの激しぶライズを射止める!








私に聞いてみたいことなどありましたら、お気軽に連絡してください。
http://www.flyfishing-japan.com/shop/index.php?contact


フライフィッシング私的大全(もっと遠く、もっと広く!)
http://www.flyfishing-japan.com/shop/







■伝えたいこと■


本当は・・

私たちはもっともっと本来の自分の求めているライフスタイルを実現するべきなんです。
そのことが、生きる意味だとも思います。

少しだけ今までより半歩前へ踏み出すだけで、
それは実現へと向うのは分かっているのに、何となくやらないでいるだけです。

フライフィッシングをライフスタイルの中に取り入れましょう。
沢山の喜びと癒しと学びを、得ることができるでしょう。

あなたの人生を、自身の手で心地よく作り上げていくには、
フライフィッシングというスタイルはとても素晴らしい選択の一つであることは、間違いありません。

そのことを、伝えていきたいのです。
フライフィッシングのイデア(理想、哲学)を表現していきたいのです。










配信解除はこちらから。
http://tinyurl.com/ygakyt9