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タイトル :【キャスティングとロッドの関係】
配信日時 :2017/03/05(日) 07:00

本文:

『価値あるものと見なされるこの世の全ての楽しみと比べてみても魚とり
これに勝るものはなし』

『説教する人、物書く人、宣誓する人、戦う人。利益の為か、娯楽の為か、
いずれにしても最後の勝利者これ魚とり』
By トーマス・ダーフィー 「釣り人の歌」
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【キャスティングとロッドの関係】



ご無沙汰しています。
大井しょうぶです。


元気でしたか?



今号は、「キャスティングとロッドの関係」です。




■そもそも番手とは何なのか?


1番とか、8番とか言いますよね、ロッドのことを。


それで、

ラインも一番とか8番とか言います。

1番ロッドには1番ライン。

8番ロッドには8番ライン。


という感じで。



AFTMA規格でそう言われています。


ダブルハンドでスペイラインなら、
グレインという基準がありますよね。


簡単に言うなら、重さのことです。

約9mの長さのラインの重さがどれくらいか?

という基準で、おおよその目安にしているわけです。



でも、

果たしてそれが適合なのか?

と、思うわけです。



1番ロッドには1番ライン。

8番ロッドには8番ライン。


これは合っているのか?




■正解であり不正解でもある。


例えば、

私は堅めの6番ロッドには、
7番のラインを載せることが多いです。


何故なら、その方がロッドにラインが乗り、
遠投しやすいからです。


かなりファーストなバリっとしたロッドを
一番手重いラインの負荷でググッと曲げ、

そのロッドの持つ最大の復元力、反発力を引き出すという考え方です。





逆に、

3番のロッドで渓流を釣り上がる時などは、
敢えて、1番のウエイトフォワードラインを使うこともあります。

操作性は3番のまま、ラインを極力軽くしたいからです。

そこそこは飛ばせて、でも繊細なプレゼンテーションも出来る、という。



このように、

釣るシチュエーションによって、
様々な組み合わせが可能です。



ですから、


3番には3番ラインでなければだめ。
8番には8番ラインでなければダメ。


というのは、完璧な正解ではなく、
一つの基準にすぎないのです。



8番ロッドに1番ラインを乗せても、
十分投げられます。



3番ロッドに8番ラインを載せたら、
すごく飛びます(笑)



よく、

「この2番ロッドに、この2番ラインでなければ、
この釣り方はできない」


という人もいますけど、

ん~、それ、半分以上オーバートークかと。(苦笑)



まあ、

もしかしたら快適に釣りが出来るのかもしれませんが、
これでなければ駄目である、という言い回しは、

ちょっと違うだろうと・・。





キャスティングスクールをしていると、

色んな方がロッドを持ってきますので、
そのロッドを振る機会も多いのですが、


2番と言っておきながら、

バットは4番~5番番ぐらいの太さやパワーがあり、
ティップセクションだけ、2番ほどのものを使っている、

というようなロッドも中にはあります。


そして、それを

「2番ロッドなのにこんなに飛びます」


という訳ですね。


まあ、そういう言い方も間違いではないと思います。
先端は2番なんですから。




だから、一概に、


「このロッドは2番だけど飛ぶ、すごいロッドだ」

というのは、どうかと思う次第です。



この間驚いたのは、

先端がベロンベロンのロッドがありまして、
ものすごいバウンドするんですよ、キャストする度に。


ビヨョ~ン
ビヨョ~ン


て。

ティップが。


でも、やたらバッドは固い。(笑)


これ、


初心者の人が振ったら、
フライフィッシングに挫折して辞めるだろうな、

と、思いましたね。


ラインが縦に波打っちゃって、もう投げずらくて仕方がない。


だから初心者の人は、迷いまくると思うんですね。


ロッド選びが
複雑化しすぎて。


煽られて。


飛びます!
飛びます!


ってね。


(次郎さんじゃないんだから・・古い?)



そこで、
私が思う一つの基準を話しますと、


「素直なアクション」


のロッド。


これが、大きな一つの基準になるはずです。選ぶ時の。
最初から、癖のあるロッドはお勧めしません。





■飛ばせるロッドが一番?



それで、

飛ばせる、という謳い文句だけで、
安易に手にしないほうがいいですね。



何故なら、

飛ばせても、硬すぎて扱いずらいとか、
魚が掛かっても、ランディングしづらいとかあります。

釣り味がおおざっぱすぎるとか。



逆に、胴調子のロッドも、
最初はお勧めしません。

癖のあるロッドに慣れてしまうと、
キャストも癖のある投げ方になる恐れがあるからです。



もちろん、

癖のある、
いい言い方をすればオリジナリティーのあるロッドで、
試行錯誤することが楽しいという人もいますので、


一概には言えませんが、



特に、初心者の方は、

素直な曲がり、
素直な弾性力、

バランスの取れたフォルム
バランスの取れた重さ


何だかんだ言って、
こういう基準が一番です。



後は、

キャストが上手くなるに従い、

ティップで投げる、とか、
バッドで押し遠投する、とか、

スペイもきれいに無理なくできる、とか、


技術が上がれば、
ほぼほぼ、それなりのキャストは出来るようになってきます。

バランスの良いロッドで。



パラボリックアクションとか、
プログレッシブアクションとか、

それらしいネーミングでそそられますよね。


で、実際にどういう曲がり方をするのかと言えば、

「負荷におおじて先端から順に曲がっていくアクション」

ということなのです。


これって、ロッドにテーパーが付いている以上、
当たり前の曲がり方ですよね?


強く曲げたら真ん中だけが曲がる、なんてロッドは、
扱いづらいし、キャストに変な癖が付いてしまう可能性が大です。




それで、
私も色々なロッドを振ってきた結果は、


一番は、

「素直さ」

「素直に曲がる」


です。


ここに戻りました。



後は、

材質によって振り心地は若干でも違ってきますので、

その微細な違いを、どう解釈していくか、という
ところじゃないでしょうか。


やわらかいロッドならやわらかいなりの素直さ。
硬いなら硬いなりの素直さ。


こういう感覚があるロッドがいいと思います。



つまり、


バッドが強いのは強いでいいのですが、
先端に掛けて、素直なベンディングカーブ(ロッドの曲がり)が描けているロッド。

が、

キャストしやすいロッドなのです。


もしくは、

胴調子で、バッドが曲がり先端は硬めという場合でも、
素直なベンディングカーブが描けていればいいのです。


極端にティップが柔らかかったり、
バッドが曲がりすぎたりするものは、バランスを欠いていますので、

投げずらいんです。


全体の曲がりのバランス。

硬かったり柔らかかったりと、
色々な意図でアクションが決められていますが、


そのどれを目指しても、
バランスの取れたアクション、曲がり、


というのが、一番大切な要因だと思います。



小難しい用語に振り回されずに、
投げやすいロッド、素直なロッドを一つの目安にすることが、

大事だと思います。




でも、

素直さといっても、
どう素直なのか?


バランスといっても、
どうバランスを取っているのか?


という、問題も出てきますので、


フライロッドというのは、最終的には、
作り手側の感覚に寄るところが非常に大きいということになるのです。


ほんと、堂々巡りのような話になってしまいましたが、
だから、面白いとも言えますので、

色々なロッドを振って見て、


その感覚を体で覚えていく、ということになるんだと思います。




■グリップ


こういったことに、


グリップの握りやすさというのも、
実は大変重要で、

太すぎると繊細さに欠けますし、
逆に細すぎると、力点、支点を捉えずらくなる、


ということもありますので、
グリップの形状もまた奥が深いのだと思います。


何故なら、一人一人手の大きさや形は違うからです。


だから、
グリップこそオーダーメイドにした方が
本当はその人に最適なロッドができると思っているんですけど。

ほんと。


この辺は、また次の機会にでも。





■今号のまとめ


・素直なベンディングカーブが一つの基準

・ティップが柔らかすぎる、バッドが硬すぎるものは避けたほうがいい。

・ラインを一番手上げてみると、ロッドに乗ることが多い。



こんな感じですね。



では、どうぞより良きフライフィッシングを!


Tight Line!








【追伸】


昨年末から最近にかけて、
実に様々な経験をしました。

もう、10年分ぐらいをいっぺんに。

その中で、いろいろ感じた事、気づいたことがありますので、
また、機会を見てシェアーしたいと思います。


結局、人間の生には限りがある訳ですよね。
しかし、その事には目を背けて生きているのが人間だとも思います。


「釣りを釣りで終わらせる」

のか?


それとも、

「釣りを釣りで終わらせない」

のか。



そもそも、

アイザックウォルトンの釣魚大全は、
なぜ、釣りのバイブルと言われているのか?

それは、本当なのか?
誰かに操作されていないのか?

そもそもイギリス人って、本当に紳士なのか?
そもそも、貴族って何?


色々想いを巡らせると、興味深い事実が浮かび上がってくるんです。








私に何か聞いてみたいことがありましたら、お気軽にご連絡ください。
http://www.flyfishing-japan.com/shop/index.php?contact


フライフィッシング私的大全(もっと遠く、もっと広く!)
「Complete Angler」
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■伝えたいこと

本当は・・
私たちはもっともっと本来の自分の求めているライフスタイルを実現するべきなんです。
そのことが、生きる意味だとも思います。

少しだけ今までより半歩前へ踏み出すだけで、
それは実現へと向うのは分かっているのに、何となくやらないでいるだけです。

フライフィッシングをライフスタイルの中に取り入れましょう。
沢山の喜びと癒しと学びを、得ることができるでしょう。

あなたの人生を、自身の手で心地よく作り上げていくには、
フライフィッシングというスタイルはとても素晴らしい選択の一つであることは、間違いありません。

そのことを、伝えていきたいのです。
フライフィッシングのイデア(理想、哲学)を表現していきたいのです。



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