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タイトル :第5話「栃木の管釣りでボウズ。屈辱」
配信日時 :2016/11/27(日) 07:00

本文:

『価値あるものと見なされるこの世の全ての楽しみと比べてみても魚とり
これに勝るものはなし』

『説教する人、物書く人、宣誓する人、戦う人。利益の為か、娯楽の為か、
いずれにしても最後の勝利者これ魚とり』
By トーマス・ダーフィー 「釣り人の歌」
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しょうぶです。

今号は、「フライフィッシング物語り第5話」です。


「栃木の管釣りでボウズ。屈辱」

の巻。





丹沢の渓流釣り場で、

初のフライフィッシングをやってみたものの、

毛バリは飛ばない。

ラインはこんがらがる。

フライは、どっかに飛んで行ってなくなる。

隣の友人を釣りそうになる。


まったく、釣りにならない。

こんなはずじゃ・・。



20m下流では、
優雅に美しいループキャスティングで決めている人がいる。


何故あんな風に出来るか?分からない。

かなり・・・くやしい・・。




ということで、

フライキャスティングを、近くの公園で練習開始したのでした。




■何となくは出来る。


そうなんです。

何となくは振れている感じはする。
それなりに、ループもできる。


でも、それは、

5mほどのラインの時。
8m~10mとラインを伸ばしていくと、


リーダーはこんがらがる。
フライラインはループを作らない。

バックで、地面を叩く。
バチンと音が鳴る。




犬の散歩をしているおばさんに、
遠巻きに怪訝そうな顔をされる・・。



「デへへ・・」


と、誤魔化す。




いやはやなんとも、難しいのです。
フライキャスティング。


それなりに、できる時もあるんです。一瞬。


でも、
それは偶然の産物であって、実力ではない。



こんな日々が続きました。






■栃木の管釣りで、達人たちに会う。


キャスティングだけじゃつまらないと、
今度は、栃木方面の管釣りに出かけたのでした。


「まあ、投げ方はまだまだだけど、

それでも、まあまあ・・釣れるさ。俺だから」


と、よく分からない理屈で(笑)、釣り始めました。



モンタナ何とか?と言うニンフ。
かなり大きめのオレンジのマーカー。
噛みつぶし重り。


ビヨョ~ンと投げるんですが、5m先で力なく落下。

でかいマーカーをぐっと見る。
そのまま、ただ時が過ぎていく。


他にやりようがないのです。


毛バリが悪いのだろうと、
ウーリー何とかというフライに交換。

毛虫みたいだな・・と、

当たりを待つが、うんともすんとも言わない。


シャ~~と、水面を風が走る。


寒み~~な。


トホホ。



「釣れない釣りって、修行みたいだな」





■達人登場



私の釣っていた池の後ろに、ロッジがあり、
そこから、ハンチング帽をかぶった2人がロッドを持って出てきた。


「今日は活性が悪いのかな?少し寒いし」


「そうかな?昨日はハッチも結構あって釣れたけど」


「釣れてないみたいだし」


一人が私をちらっと見る。



「ん、あそこ見てよ。ミッジがハッチ始めた」


虫が飛び始め、魚がライズを始めた。


「虫小さいな、ちょっとやってみるか」


シュワン、シュワンと、キャスティングを開始し、
フワッとラインが音もなく着水する。


そのライズは、池の反対側の岸の近くだった。
15m以上はあろうか。


そこに、優雅にラインを到達させる。



「ガボッ」


魚が勢いよく飛び跳ね、いとも簡単に釣れてしまった。


ロッドは美しい曲線を描き、イエローラインはピンと張っていて、
その先で魚が左右に走る。


躍動感溢れる絵だった。


フライラインは、電気が流れているかのように小刻みに震える。

豊かな生命感があった。


ラインを手繰り寄せ、魚をネットに入れたと思ったら、
すぐ離した。



また、キャスト。

「バシャ」

すぐ釣れる。



また、キャスト。

「バコッ」

また釣れる。



その間、15分くらいだっただろうか。



「今日もいいね」


「ハッチもあるし、問題ないよね」


「魚のコンディションもいい」



「いや~、でも寒いや。

中で、あったかいコーヒーでも飲もうよ」



私はこの言葉が今でも忘れられない。




「中であったかいコーヒーでも飲もうよ」




短時間でチャチャッと立て続けに釣った後、この言葉である。


こっちは、それどころではない。

かじかんだ手をさすりながら、フライを結ぶのに苦労し、
投げても投げても釣れないのである。

そもそも飛ばないし。



「くやしいな・・。情けないな・・」


「惨めだな・・。でもかっこいいな・・・」


「絵になってたな・・」


「いつか俺もあんな風に言ってみたいな・・」



その日、私はボウズ。


完敗。


遠くに見える街並みに沈んでいく夕日が目に染みた。



私は決めた。



あの人のように釣ろう。

いつかあの人のようにキャストしよう。


いつか、あの人に追いつき追い越してやる。いつか。



そして、

もし一緒に釣る機会があったなら、こう言ってやろう。




「寒いから中入ろうよ。コーヒーおごるよ」





ワォ!



フライフィッシングの旅は始まったばかりである。




Tight Line!




つづく。






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■伝えたいこと

本当は・・
私たちはもっともっと本来の自分の求めているライフスタイルを実現するべきなんです。
そのことが、生きる意味だとも思います。

少しだけ今までより半歩前へ踏み出すだけで、
それは実現へと向うのは分かっているのに、何となくやらないでいるだけです。

フライフィッシングをライフスタイルの中に取り入れましょう。
沢山の喜びと癒しと学びを、得ることができるでしょう。

あなたの人生を、自身の手で心地よく作り上げていくには、
フライフィッシングというスタイルはとても素晴らしい選択の一つであることは、間違いありません。

そのことを、伝えていきたいのです。
フライフィッシングのイデア(理想、哲学)を表現していきたいのです。



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