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タイトル :第4話「毛ばりが飛ばない!どう投げればいいんだ」
配信日時 :2016/11/21(月) 07:00

本文:

『価値あるものと見なされるこの世の全ての楽しみと比べてみても魚とり
これに勝るものはなし』

『説教する人、物書く人、宣誓する人、戦う人。利益の為か、娯楽の為か、
いずれにしても最後の勝利者これ魚とり』
By トーマス・ダーフィー 「釣り人の歌」
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しょうぶです。


前回までの「フライフィッシング物語り」
読んでいますか?

読んでいない方は、こちらからどうぞ。
http://ameblo.jp/flyfishing-japan/entry-12215278481.html



奇跡の第一投でバスをフックセット。
ヘラ釣りで驚愕の巨鯉をフックセット。


ヘアーズマスクのリアリティーと、
ピーコックのギラついた色彩に、

完全に打ちのめされたのです。



さっそく、フライセットを手に入れ、
家に帰りました。


一晩中、そのセットを眺め、

箱から取り出し、ロッドを繋いだり、
オレンジのフライラインを指で撫でてみたり、

精巧に出来たフライを摘まんでみたり、
リールをカリカリ回してみたり、

フライの道具に触れているだけで、
今まで感じたことのない心地よさとわくわく感に包まれました。


次の日には、また家の近くの量販店に行き、
フライの入門書を買い、

これまた、一晩中抱きしめるように読み続けました。


何で、こんなに一瞬にしてのめり込んだのか?


考えれば、色々な理由が浮かんではきますが、


「原風景」


に、戻っていく心地よさ。

自分の源流へと遡っていく楽しさ。

心が軽くなっていく快感。

シンプルな衝動。



また、


「何もないところから、初めてもいいんだ」


と、思えたんだと思います。



負け戦だと分かりながら、
意地で続けていた音楽活動。

疲れ切っていました。


才能はある。(自分で言うのもあれですが・・^^)

でも、成功するには、
決定的に足りないものがある。

それは何か?



そんな感じで、日々を送っていた私にとって、


フライフィッシングに出会ったことは、
女神に出会った奇跡のようであり、

ここからまた再生しなさい、とでも言われているようだった。




■フライが飛ばない!?


「せっかく、フライのセットも手に入れたんだし」

ということで、

丹沢の山奥の渓流釣り場へ仲間と出かけた。

他の人間はルアー。
私はフライ。


確か、雪が若干残っている季節だったと思います。

ジンクリアーな水の透明度に、何とも言えない感動があり、
そこに泳ぐヤマメやイワナの美しさに

心躍った。


空気が美味しいと感じたのは、何年振りだろう。

こんなに、空気って美味しかったのか!?



長い間いつも、埃と排気ガスが外を漂う、
都会のマンションで朝方までヘッドホンをして、
音の世界へワープしていた私にとって、


山の上の渓流は、


全細胞が癒され、立ち直り活性化し、
エネルギーが再生されて溢れていく。

そういう感覚がありました。



ほとんど投げ方の練習もせずに、どうにかなるさと、

さっそく、釣り始めるんですが、


「あれ?おかしいな?」

「前に素直に飛んでいかない」


釣具屋で教わった投げ方をしてみるんですが、
全然うまくいかない。



他の釣りとは全く違う投げ方の感覚に、
戸惑うばかり。


狙ったところに行かないし、
前後に何度も振ることが、まずできない。

隣で、釣っていたルアーの友人を釣りそうになる。


「あぶね~。もう少し離れて釣ってよ」


「ごめん・・」



釣りにならない。


軽く挫折。


毛ばりにがん玉にマーカー。

ルアーに比べ、さほど重くもないこの仕掛けを投げられない。
でも、フライラインだと、重すぎる感じもする。


「よく、分んね~な~?」


ラインは絡まりフライはどっかに飛んでいき、
糸をほどいてまた毛ばりを付ける。

この繰り返し。


釣りにならない。

結構、挫折。



この日、ほとんどはルアーか餌釣りのファミリーだったが、
対岸の下流20mほどのところで、


一人軽快に、フライキャストをしている人がいた。


シュパッ、シュパッと、
前後にラインが美しく伸び、

何度目かで、ふわっと水面に落とす。


何度も繰り返していた。
気持ちよさそうだった。


あんな投げ方をしてみたいが、できるはずもない。


ルアーの時のように、
すぐに様になると思っていた。

甘かった。



ジ~っと、その人を遠くから見続けた。


「軽快だな~。重さのない毛バリを使っているんだろう」

「軽い。重力がないみたいだ」

「あんな風にキャスト出来たら、気持ちいいだろうな~」


オレンジ色のラインを、
思うようにコントロールしている。


水面に着水したラインを、また何かコントロールしている。
跳ね上げている。


「すげ~、あんなこともするんだ」

「意のままにラインを操っているな」

「いや~、気持ちよさそうだな~」






帰りの車の中で、

「一匹釣れたんだから、いいじゃない」

そこそこ釣れて上機嫌のルアーの友人に慰められる。


軽く屈辱。

私は決めた。



あの人のように、投げられるようになろう。

なりたい。

練習だ。


そしていつか、軽~い感じでバシッと決めてやろう。


「そうか、軽さだ」


「軽さがこの釣りの鍵だな」






山の上の渓流釣り場は、すべてが心地よかった。

一筋縄ではいかないこの釣りの魅力に、
ますますはまっていった。


フライフィッシングは、私の好奇心を鷲掴みにした。
難しいけど、ほかのどの釣りより心地いい。


これほどの解放感は本当に久しぶりだった。

釣れなかったけど、心は軽くなっていた。


軽さだ。


自由だ。


釣りって、こんなに気持ちいいものなんだ。


ゼロからの出発である。


「フライフィッシングゼロ」




つづく。






次回は、

「栃木の管釣りで挫折。一匹も釣れない」

の巻きです。



お楽しみに。


Tight Line!







■お勧め情報


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意のままに心地よくキャスティングできていますか?



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■伝えたいこと

本当は・・
私たちはもっともっと本来の自分の求めているライフスタイルを実現するべきなんです。
そのことが、生きる意味だとも思います。

少しだけ今までより半歩前へ踏み出すだけで、
それは実現へと向うのは分かっているのに、何となくやらないでいるだけです。

フライフィッシングをライフスタイルの中に取り入れましょう。
沢山の喜びと癒しと学びを、得ることができるでしょう。

あなたの人生を、自身の手で心地よく作り上げていくには、
フライフィッシングというスタイルはとても素晴らしい選択の一つであることは、間違いありません。

そのことを、伝えていきたいのです。
フライフィッシングのイデア(理想、哲学)を表現していきたいのです。



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