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タイトル :進化とは融合である 「Fuseing Method」
配信日時 :2016/10/23(日) 07:00

本文:

『価値あるものと見なされるこの世の全ての楽しみと比べてみても魚とり
これに勝るものはなし』

『説教する人、物書く人、宣誓する人、戦う人。利益の為か、娯楽の為か、
いずれにしても最後の勝利者これ魚とり』
By トーマス・ダーフィー 「釣り人の歌」
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しょうぶです。


今号は、進化とは融合である、

という話をしたいと思います。




「Fuseing Method」


融合する、溶け合う、溶解、異なる要素を混ぜ合わせる、

などの意味。



■縛られる思考


人間は、言葉、名称によって縛られている。

固定された思考、観念をもってしまいます。

ルールを生み出し、そこからはみ出ないような思考の流れを
自然発生させています。

その方が、整理するのに楽ですし、思考が単純でもいいからです。




■フライフィッシングなら、例えば、


ドライフライ
ニンフフィッシング
ウェットフライ
ストリーマー

というように分けられている。


そして、
この分けられた名称によって、

ドライはこうこう・・・こういう釣り。
ニンフはこうこう。
ウェットは・・。
ストリーマーは・・・。


と意味付けをする。



何故、分けて意味付けをするのかといえば、

便利だからである。

水面にフライを浮かす釣りをしようぜ、

というより、

ドライフライをやろうぜ、


という方が短く言えるし、わかり易いからである。


だから、
名称、言葉というのは、便利であり
人間の持つ大きな能力であると思います。


しかしながら、
その言葉の定義によって、

思考が固定してしまっていることを、
あなたは気付いているだろうか?


言葉による弊害も発生しているのです。


例えば、
ドライフライは、
水面にフライを浮かべて釣る釣りだとすれば、

どこまでのことを言うのか?



アダルトフライを水面高く浮かせた場合は、
分かり易い。

何の疑いもなくドライフライの釣りだと言えよう。


しかし、例えば、

フローティングニンフというフライがある。


アンダーサーフェス(水面直下)に張り付いた感じで流れる
羽化直線や羽化に失敗したニンフのことを一般的には言いますが、

これは、ニンフ(幼虫)です。


このフローティングニンフを魚が好んで捕食している場合、

ニンフフライに
、CDCのインジケーターやエアロドライウィングなどの
インジケーターを付け、

ボディーは水面直下に入り、
CDCなどのインジケーターを水面上に出し、

それを目視して、ドライフライと同じような釣り方、
合わせ方をして釣るというものです。



この場合、ドライフライと呼んでいいのか、
はたまた、ニンフフィッシングの一つに入るのか、

非常に曖昧な領域があるんですね。


使うフライは、浮いているニンフですから。


私は、
普通のノンウエイトのフェザントテールやヘヤーズイヤーを
そのまま水面に浮かせたり、水面直下を漂わせて、

ドライフライや、イマージャー的に
ニンフを使い釣りをすることも多いです。

CDCやドライウイングのようなインジケーターは使いません。


この場合、
魚はガボッとライズしてくることも多く、
ニンフフィッシングなのか、
ドライフライなのかは、曖昧です。


インジケーターがあるかないかの差だけなのです。



逆に、ドライフライで釣りをしていて、
なかなか釣れない時に、

ドライフライの浮力がなくなり、
沈んで流れてしまったら、
(意図的ではないことがポイント)


釣れた、ということも少なからず私はありました。

あなたにも、こういう経験があるかも知れませんね。



これは、

ドライフライと呼んでいいのか、ニンフィングなのか?


ドライフライ至上主義の方達は、

「いや~、沈んじゃったら釣れたけど、イレギュラーだよね」


的に解釈したりします。



ですが、

どの程度沈んだかによっても、

ドライフライなのか、ニンフィングなのかは、
とても曖昧なところです。


半分沈んだら釣れたのか、
水面直下に張り付いた感じになったら釣れたのか、

10cm沈んだら釣れたのか、


によって、ドライフライなのか、ニンフフィッシングなのか、
はたまた、ウェットなのか・・・。


その意味合いは、曖昧です。


いや、
曖昧でいいのです。グレーでいいのです。



つまり、

人間が勝手に付けた名前の持つ意味合いやカテゴリー分けは、
あくまで、便利だから使っているわけで、

自然界の(この場合魚の習性)偉大なる営みは、

そんなカテゴリー分けにキッチリ入りきる訳がないのです。



人間の都合で名付けたカテゴリーで、
全てが説明できるような代物ではないのです。



ですから、

ドライフライやニンフィングというカテゴリー分けより、
ライズフィッシングか、
そうでないかの方が分かりやすいのかも知れません。


ライズしている魚を仕留めるなら、

フライがドライフライだろうが、
フローティングニンフだろうが、
フローティングピューパだろうが、

同じ、ライズフィッシング。


水面下に沈めて釣る場合は、
ドライフライが沈んで釣れたとしても、
ライズフィッシングではない。


という分け方。


これも、すぐ行き詰る方法ですが、
まあ、一つの整理としては、分かり易いところはあります。



ウェットフライも然り、
ストリーマーも然り。




よって、

私が提唱するフライフィッシングの最新の釣り方は、


「Fuseing Method」


という釣り方です。


Fuseとは、融合、異なる要素を組み合わせる、という意味です。



これは、


簡単に言うと、


ドライフライと、ニンフフィッシングと、
ウェットフライとストリーマーの

融合の釣り、メソッドということになります。


つまり、

言葉、名称による思考の縛り、固定観念をとっぱらい、

自由になるためのメソッドです。


ドライフライかニンフィングかわからない釣り。
区別が付かない釣り。

ニンフィングかウェットフライかわからない釣り。

ウェットフライかストリーマーか分からない釣り。
区別が付かない釣り方。

ストリーマーか、ドライフライか分からない釣り。


こういう釣りが必ず存在します。



存在するのですが、


名称によるカテゴリー分けの中で
釣りをすることに慣れている釣り人は、

この曖昧でグレーな釣り方を好まない傾向にあるように思えます。


分かりづらいと感じるでしょうし、
思考が追いつかないということもあるかも知れません。


なので、

ドライフライとは、こうである。とか、

ニンフとは、こういう釣り方である、とか、

ウェットとは、こういうものである、とか、

ストリーマーは、こうである、という風に、


断定的な思考で、決め付けます。



行き過ぎると、

「こうでなくてはダメである!」

とまで、決め付けてしまうのも、人間の性でしょう。



その方が楽であり、分かり易いのであり、
混沌をさけ、予定調和の中で安心でき、
変化を嫌うので、変化しないことを選択します。

今までがこうなんだから、これからもそうなんだ、とか。


変化をなかなか受け入れられないので、
とりあえず、新しいものは否定する、という思考。


これも、今までの常識といいますか、

教科書には、こう書いてあったから、
そうなんだ。答えなんだ、という

他力本願な思考。



視野が狭い。

楽だけを求め、自らやるとは決して言わない。

でも、そこそこはやれている自分を世間には見せたい、
カッコつけたい・・・。


安全地帯からは決して出ない。

一歩踏み出すことはしないが、知識だけはそれなりにある。

知っている、ということだけで満足する。

行動には移さない。

自らの意志で、自らの責任でフィールドに立って、
戦うことはしない。いや、できない。

いつでも傍観者。


誰かの陰に隠れるか、誰かの御膳立てがなければできない。

恐怖と不安だけが頭を支配する。


・・・。

でも、本人が全て悪いわけでもない。

環境が、大きく影響しているのは間違いない。


・・・。


脱線しましたが、話を戻しまして、



進化とは、融合の中にあり、

まったくのゼロから、
突如としてオリジナルな何かが生まれることは、
ありえません。


一見、斬新で独創的で、
オリジナリティーにあふれているような創作でも、

実は、必ず既存の何かに影響され、

自身のイメージ、原風景にそれらが加味され、

ぶつかっては、砕け、ぶつかっては砕けを繰り返しながら、

新たな世界観やイメージを出現させているのです。



少し、難しい言い回しになってしまったかも知れませんが、


このフライフィッシングの中の「名称」という狭い定義から、

自由になれれば、より、


フライフィッシングは、進化していけると思うのです。


もっと具体的には、円グラフを用いて考えて見ましょう。



ドライフライ
ニンフィング
ウェットフライ
ストリーマー

をそれぞれ、円を描きます。


(頭の中でホワイトボードに円を描いてみてくださいね。)


そして、それぞれの円が交わる場所というのが、

必ず存在します。



この交わった部分は、
何と言う釣り方かは、はっきりと言い表せません。


先程も言ったように、

ドライのようなニンフのような、
ニンフのようなウェットのような、
ウェットにようなストリーマーのような、

という交じり合ったグレーな部分です。


ここを意識して、釣りを展開するだけで、


今までの名称よって束縛されない、
個人個人の自由な釣り方が展開できるようになるのです。





■ヨーロピアンニンフィングの進化形。


ヨーロッパのフライフィッシャー達も、

カテゴリー訳をして、釣りをしています。



ですが、私は、あえてカテゴリーは取っ払い、

ドライニンフとか、
ニンフウェットとか、
ウェットストリーマーとか、

イマージャールアーとか、

こういう融合の発想で釣りをしたほうが、

より自由になれ、
開放感を伴った面白い釣りが展開できると思っています。


リグの中に、

ドライとニンフとウェットを
組んでもまったくいいと思っていますし、


釣り方も、ニンフィングにこだわらずに、

ウェットのようなダウンクロスのスイングをさせてもいいですし、
アップのニンフィングの流し方でもいいと思います。


もちろん、

釣りにくさとか、釣りやすさとか、
色々課題は出てくると思いますが、


だからこそ、
試行錯誤して試す価値があります。



フライフィッシングだからといって、
フライラインを必ずしも使う必要もないと考えています。


フライラインに変わる何か新しい
もっと適した素材が開発されれば、そこで、また進化します。



例えば、フレンチリーダーというものがありますが、

最先端の科学テクノロジーによって、

フレンチリーダーがフライラインより
投げやすく優れたものに進化してしまえば、

それは、フライラインに変わることも可能です。


可能と言うか、
フライラインとリーダーの役割の境がなくなっていく、
とも、考えられますよね。


もっと、具体的に言うと、

フレンチリーダーだけで、ループキャストができ、
尚且つ、フライラインより軽いものができたなら、


少なくとも、ニンフィングは確実に大きく進化できるのです。


いや、これはニンフィングだけでなく
ドライにもウェットにも、ストリーマーにも、

フライフィッシング全体に、
革新的な変化をもたらすと考えられます。






(そういえば、音楽をやっていた時も、

初見で譜面通りにミスなく弾けることがプロ。

とか言われると、ひじょ~~に、不自由極まりなく、

そんなんじゃ、音楽やっている意味がない、と思ってましたね・・。)




ということで、


またまた話は広がりまくりですが、

進化するポイントは、既成概念の創造的破壊であるというお話でした。



Tight Line!







Ps,


「縛られる思考」


この現象は特に、日本の教育にその傾向が強いと思うんです。
私自身は、そう教育を受けた。だから、反抗したのです。


・こうでなければならない。

・今までの常識からはみ出すな。

・和を保つには、自分を殺せ。個性なんていらない。

・くだらないことを思考するな。

・与えられた数式や記号を暗記するだけでいい。

・指示を待て。自ら動くな。


私の周りのほとんどの人間は、この思考の枠組みの中でうごめいている。



そうやって教育され社畜として飼いならされてきたんです。


「我々は眠らされている」


このことに、気づくべきです。






「でも、誰に・・・?」







釣り人は、自らの意志で川に立ち、
自ら思考し、決断し、自分を生きるという選択ができるはずです。





進化する第一歩
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自由を手に入れる第一歩
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私に何か聞いてみたいことがありましたら、お気軽にご連絡ください。
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■伝えたいこと

本当は・・
私たちはもっともっと本来の自分の求めているライフスタイルを実現するべきなんです。
そのことが、生きる意味だとも思います。

少しだけ今までより半歩前へ踏み出すだけで、
それは実現へと向うのは分かっているのに、何となくやらないでいるだけです。

フライフィッシングをライフスタイルの中に取り入れましょう。
沢山の喜びと癒しと学びを、得ることができるでしょう。

あなたの人生を、自身の手で心地よく作り上げていくには、
フライフィッシングというスタイルはとても素晴らしい選択の一つであることは、間違いありません。

そのことを、伝えていきたいのです。
フライフィッシングのイデア(理想、哲学)を表現していきたいのです。



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