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タイトル :ニンフとウエットフライの狭間で。
配信日時 :2015/10/15(木) 22:00

本文:

『価値あるものと見なされるこの世の全ての楽しみと比べてみても魚とり
これに勝るものはなし』

『説教する人、物書く人、専制する人、戦う人。利益の為か、娯楽の為か、
いずれにしても最後の勝利者これ魚とり』
By トーマス・ダーフィー 「釣り人の歌」
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【ニンフとウエットフライの境目】


大井しょうぶです。


ちょっと前に、ドライフライとニンフの境目について、
お話しました。

覚えていますか?(笑)


ドライフライとしてやっている釣りが、
実はニンフィングである!?という話をしています。

こちらです。ぜひ、また読んでみてください。
http://ameblo.jp/flyfishing-japan/entry-12047487144.html



この話しを踏まえたうえで、(まあ、踏まえなくてもいいんですが・・笑)

今回はニンフとウエットフライの境目について考察してみたいと思います。





■ニンフとウエットフライの狭間で。



まず、ウエットフライもニンフも
基本的には、水中を釣るフライですよね。

ここでは、どちらも同じカテゴリーに入ります。


「同じ」


カテゴリーです・・・。



しかし、
多くのフライフィッシャーマンは、

ニンフというフライと、
ウエットフライは、

かなり別物としての認識が強いと思うんですね。


そのイメージや、釣り方は、
かなり離れた扱い方をしているはずです。


例えば、
ウェットフライで釣ることは「らしさ」があるので、OKだけど、
ニンフは、えさ釣りみたいであまりしたくない・・・、とか。


逆に、
ニンフは釣れるし、扱いやすいけど、
ウェットは、イメージが先行していて、いまいち釣りづらい、とか。


ですが、ここにも少なからずグレーゾーンが存在するのです。
どっちにもとれるような、とれないような・・・、曖昧な・・。


そういうことを、感じたことはありませんか?





■グレーゾーン


フェザントテールというニンフにクイルウイングなどのウイングを付けたら、

・・・、

やっぱりウエットフライに入るのだと思います。



マーチブラウンウエットのウイングを取ってしまえば、

・・・、

やっぱりニンフのカテゴリーに入る形状になると考えます。
(細めのニンフかな?)



ということは、

ウェットとニンフを分けている主犯は、


「ウイング」


ということになると考えられますよね。
(まあ、かなりザクッとですが、おおよそそうです)





■ニンフにソフトハックルをパラリと巻いたら


細めのニンフにグリズリーなどのソフトハックルをハックリングしたら、

やはり、ソフトハックルフライに入るのでしょうか?

ソフトハックルというのは、一応今までの分類では
ウェットフライにカテゴライズされています。


それとも、ニンフなのでしょうか?


この辺も、曖昧なグレゾーンが存在しますよね。



フェザントテールのレッグを多め付けたら、
ハックリングしたような形になり、
ソフトハックルフライのような機能を持つフライになったら、
これは、やはりソフトハックルでウェットなのでしょうか。





■ウエットとニンフのスイング



ニンフフィッシングとウエットフライを比較した時に、
一番の違いというと(フライ以外で)、

流し方になりますよね。

ウエットは、スイングの釣りである、というような。


スイングというと、大方の人は、

ウエットフライの釣りを連想するはずです。


しかし、
ニンフの釣りにも、


スイングやターンの釣りは多く存在します。


というか、
ニンフは、羽化の為に水面に浮上する行動を取りますし、
水中で泳ぎ回る種も多いですので、

スイングしたり、ターンしたりする動きはあるのが当たり前です。


もちろん、水流に逆らえず、ナチュラルに流れる固体も多いですので、、
ナチュラルドリフトは、釣れる大きな要素にはなると思います。


しかし、浮上する為に力強くドルフィンキックしたりするニンフもありますので、
スイングやターンも有効なドリフトの一つになります。




■ウイングというもの


そもそも、ウイングというものは何故必要なのでしょうか?


色々な意味が考えられますが、


・水中をスイングさせる為に必要

・水中での泳ぎ、姿勢を安定させる為

・ニンフが浮上する際に、ウイングケースからウイングが出切った状態を模したもの

・デフォルメしたニンフのウイング

・水生昆虫に囚われないルアー的な自由度の高い考え方


などが、私が思うウェットのウイングの考え方です。


で、ですね、


ウイングにも、

クイルウイングとか、
フェザーウイングなどありますが、

「オレンジ&パートリッジ}など、
ソフトハックルを使ったものも多いですよね。


そして、このソフトハックルを使ったフライは、
一般的にウエットに分類されているのですが、
実はニンフの機能も持っているフライだと思うんですね。


ソフトハックルを取ったら、ニンフに入ると思いますし、
逆に、細身のフェザントテールにソフトハックルをパラリと巻いたら、
それは、ウエットに入るのかもしれません。







■稚魚



思うに、ウェットフライというのは、

水生昆虫を表現したという意味合いと、

もう一つは、小魚、稚魚を表現しているものも結構あるというのが、
私の思うところです。


派手なカラーリングでスイングさせて釣れるというのは、
水生昆虫よりは、稚魚を連想させます。


だから、よりルアー的な要素が強いんだと思いますね。





■今日の結論


ドライフライとニンフのグレーゾーンと同様に、

ウェットとニンフにも、曖昧でどっちつかずの、
もしくは、どちらの要素も多くあるフライが存在するのです。


この辺のグレーゾーンにこれからのフライフィッシングの
進化が潜んでいる気がしますし、面白く感じる部分なのです。


つまり、ウェットとかニンフとかの言葉による分類だけでは済ませられない、
奥深さがあり、そういうことを意識して釣りを組み立てるだけで、
新たなアプローチも可能になってくるのではないかと言う事です。


ウェットはウェット。

ニンフはニンフ。

釣り方も使うフライも別物である。



というような断定的な思考を外し、より自由な表現を目指すことが、
私の思う、「フュージング(融合)」ということになるのです。


こういうことも、


「枠の外に出る」
http://goo.gl/LVgqdK



ということの、一つだと思っています。





【補足】

≪目に見えぬ枠組み≫


実は、人間社会には、

目に見えぬ枠組みが多く存在しますよね。

意識の枠組み。
思考の枠組み。
今までの常識。
自身へのセルフイメージ。
伝統。



「伝統」


という言葉だけで、
内容はともかく、それは正しい。それは守るべき。
格が高い。重厚。美しい。

という意識の枠組みが支配します。我々の思考を。

そう思考しなければ、間違いである。

とさえ、教え込まれている、洗脳されている事も実はたくさんあります。


そして、そのことになかなか気付かないのです。
まあ、気付かないから洗脳されている訳ですが。

(というか、洗脳されたがっているんですよね、本当は。
この辺は書くと長くなるのでまた機会がありましたら。
フライフィッシングとは、直接関係ありませんし・・汗)




本を出版しただけで、その人は無条件に凄い人・・・、とかね。


私は、フライフィッシングというのは、
そういう思い込みや洗脳から逃れる為のツールでもあると考えていますので、

フライフィッシングという枠組みさえも、ある意味とっぱらいたい時があるのです。




ということで、今号はこの辺で。

まだまだ、書きたいこと、言いたいことはたくさんあるのですが、
また、次回にでも。






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■■フライフィッシングの魅力■■


≪しょうぶバージョン≫


フライフィッシングの魅力として一般的に語られていることは

フライキャスティング、フライタイイング、自然観察、釣りそのもの、
などが上げられます。

本や様々なメディア、ウェブサイトなどでこのことは多く語られています。


ですが、
何故、フライキャスティングは面白いのでしょうか?
何故、フライタイイングは面白いのでしょうか?
何故、フライフィッシングは面白いのでしょうか?

フライフィッシングという行為のその奥を覗き込むと、
様々なインスピレーションを伴った言葉たちが浮かんでは消えていきます。


技術のその奥にある果てしない世界。その世界観は、
たまらなく魅力的で刺激に溢れています。





・釣りをする行為でありながら、「釣りを釣りで終わらせない」

・フローに入れる。(心理学者チクセントミハイ提唱の概念)

・完全に浸り、精力的に集中し、完全にのめり込んでいて、
 その過程が積極的で活発を伴い、成功している状態。

・主観的幸福状態。

・良心を持った大人不良。

・スピリチャルな要素がある。

・ヒーリング効果が高い。

・森林浴ができる。

・ハンティングの興奮が味わえる。

・誰にも邪魔されず、一人になれ、自分と向き合うことが出来る。

・自分の内面と対峙し、決断できる。

・日常を持ち込まない。非日常の空間。

・スマホを押入れに投げ入れ山の上の渓流に行く。
 連絡が取れない状況を作る。思いっきり、せいせいする。
 ネットやSNS、メールに依存していたことが、よ~く分かる。

・コンピューターがなくても、どうにでもなるという感覚。

・サバイバルな精神。

・旅。ジャーニー。世界を旅する。一瞬にして世界中がフィールドになる。

・幻の魚、というロマン。少年の心。冒険心。

・心と体の浄化作用。

・ドーパミンと、エンドルフィンの両方の脳内物質をたくさん分泌できる。
 つまり、興奮と幸福感。

・適度な運動と、瞑想。足腰を鍛錬でき、心地よい疲労感を得られる。

・標高の高い場所の、澄みきったきれいな空気の中で食べる
 カップヌードルの驚くほどの美味しさ。バーベキューなら、なおさら。

・ファッショナブルになれる。お洒落を楽しむのは、街の中だけではない。
 山の中の誰も見ていない空間でも、釣り人は、お洒落をしたいのである。

・アーティスティックになれる。キャスティング、タイイング、
 自己表現であり、芸術的なのである。

・心に残る思い出を多く作れる。

・仲間との飲み会、大きな売り上げ、知名度、彼女との時間、
 家族との時間、SNSでの交流、日記、TV、読書、車、音楽、
 コンサート、映画、執筆、ボスになる、社長になる、
 テレビに出る、女にもてる、美味しいものを食べる、いい服を着る、

 世の中、楽しいことは山ほどあるが、
 魂のさらにその奥に流れ続ける思い出は、釣りであった。

・色々あるけど、ここに戻ってこれればいいかな、と思える場所。

・基本的に男の世界。男のロマン。男の友情が芽生える時間。

・釣りには、もの凄く多くの格言が残されている。

 静かなることを学べ
 釣り師の両手は縛っておけ
 釣れない釣り人は哲学者
 永遠に幸せになりたければ、釣りを覚えなさい
 魚釣りという病気は死ぬまで治らない難病であると共に、
 人生という難病を治療する特効薬でもある
 ロイ・キリーク
 ・・・。

・男の隠れ家である。

・何かにスポイルされそうになった時、逃げて逃げて逃げまくれる。
 世界の果てまでも。

・地球の生態系が分かる。

・世界中の釣り人と、すぐ仲良くなれる。

・その人の性根が分かってしまう。
 いい人ぶっても、いざとなれば逆切れするその思考。
 釣りによって本性がばれてしまう。そこが、面白い。

・ヤマメは俺で、俺はヤマメ、ということが分かるようになる。
 ヤマメを食べればヤマメが変化し、俺になる。俺が変化し、いずれヤマメになる。
 元は、一つ。一つの物質から全て発生している。

・川、山へ行くことによって土壌微生物、バクテリアを吸収でき、
 本来人間が持っている免疫力、生命力が高まる。
 元の気、エネルギーを高められる。
 都会のコンクリートジャングルではそれが出来ない。

・釣れても、釣れなくても、いつも釣り人はそのあり方を問われている。

・釣りを、「芸術家や音楽家や小説家と同等な社会的認知」
 をしてもらえるには、フライフィッシングが一番近いところにいるのではないか。

・フライフィッシングはとてつもない楽しみと共に、
 人間修行できる数少ない、身近な偉大なる遊びである。


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まだまだ、私の中から溢れるように出てきます。
随時、加筆していきますので、ご期待ください。





私に何か聞いてみたいことがありましたら、お気軽にご連絡ください。
http://www.flyfishing-japan.com/shop/index.php?contact



フライフィッシング私的大全(もっと遠く、もっと広く!)
「Complete Angler」
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