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タイトル :初心者でも分かる!フライローテーションの奥義
配信日時 :2015/04/26(日) 07:00

本文:

『価値あるものと見なされるこの世の全ての楽しみと比べてみても魚とり
これに勝るものはなし』

『説教する人、物書く人、専制する人、戦う人。利益の為か、娯楽の為か、
いずれにしても最後の勝利者これ魚とり』
By トーマス・ダーフィー 「釣り人の歌」
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しょうぶです。

最強のツーインワンロッドが完成しました。

詳しくは編集後記で。




■初心者でも分かる!フライローテーションの奥義



【釣れるはずのフライ】


あなたも当りフライを何本か持っていると思いますが、
いつでもそのフライが通用するかというと、
そうではないでしょ・・。


「このフライは自信があるんだ」


「この間は、これで爆釣したし・・へへ・・(ニヤリ)」


そう意気込んで、いつものフライを使います。


しかし、しか~し、


「あれ、おかしいな?反応が悪い・・」

「釣れないな~、そんなはずはないのにな~」

「でも、この間は釣れたんだ。その内釣れるだろう・・」


こんな感じで、ず~っと同じフライをただひたすら投げている訳です。


でも、でもですね、


釣れません。



釣れないものは釣れません。いやはやなんとも・・釣れません。

あ~、釣れません!

今日は今日であって、この間とは状況がまったく違っているのです。



しかし、同じ状況でも釣れる人は釣れるんですね。
そういう人には共通点があります。


何でしょう?



  ・
  ・
  ・
  ・




それはですね・・。


「秘密です」







というのは冗談です。(笑)




実は釣れる人は、
フライローテーションが上手いのです。




■フライローテーション


なんだ、そんな事か、と思ったあなた。
そんなあなたこそ、今号をしっかり読んで下さいね。

実は、しっかりこのことを実践している人は少ないかも知れません。


フライは水生昆虫を模してタイイングされている訳ですが、
大きく分けて以下の4種類になります。


メイフライ。

カディス。

ストーンフライ。

ユスリカ。




この4種類が基本的にフライフィッシングの対象になります。
(夏はテレストリアルなども加わりますが)





それでですね。


川辺に立って、
水生昆虫のハッチなんぞを、色々調べたり推測したりして、
使うフライを絞っていきますよね。


ですが、

ハッチしている虫が正確に特定できなかったり、
30分後はハッチする虫が変わっていたり、
10m場所が変わっただけで、反応がガラッと変わったり、と、


実に色んな表情を川というのは見せてくれます。



そんな時どうするかが、釣果を大きく左右するということなんですね。


それで、

概ね、4種類の水生昆虫のフライをローテーションしながら、
当りフライを見つけていく訳です。



その時に、ドライフライだけではなく、
ニンフやイマージャー、ウェットなどをローテーションしていくんです。


たいがいは、ドライフライだけを試して、
「釣れない」と嘆いている人が多い気がします。

ドライにも様々な浮き方がありますし、
ニンフも軽いものから、ウェィテッドなヘビーなものまであります。



細かく考えていくと、実に色々な戦術がありますが、
今回は、ザクッと分かりやすいローテーション方法をお話しします。



まず、近くに飛んでいる虫が何なのかを調べます。

よく分からない場合は推測でいいので、

ユスリカなのかメイフライか、カディスなのか、
ストーンフライなのかを定めていきます。

これは季節によりある程度は、分かってきます。


早春なら、ユスリカかストーンフライ。
春から初夏にかけては、メイフライやカディス。
夏は陸生昆虫ですね。
(※あくまで、基本的なこととして。)


そして、ライズフォームから何を捕食しているかを推測します。


・早春のスプラッシュライズなら、
ユスリカアダルトやストーンフライアダルト。


ディンプルライズなら、
ユスリカフローティングピューパやストーンフライニンフ。



・春から初夏でのスプラッシュライズなら、
カディスアダルトやメイフライダン。

ディンプルライズやボイリングでは、
カディスピューパやイマージャーやフローティングニンフ。


まあ、かなり大雑把な分け方ですが、こんな感じで戦術を練っていきます。


でも、初心者の方にはこの段階で、少し混乱しているかも知れませんね。
何だかんだで、分類が結構細かかったりしますし。




そこで、お勧めな方法が、

「横の思考と縦の思考」


です。




■横の思考とは、


何がハッチしているかを、特定するということです。


・ミッジか、

・カディスか、

・メイフライか、

・ストーンフライか?

・テレストリアルか、


はたまた、フライでは巻けないような極小の虫なか?


これらを、ザクッとでいいので推測して
水生昆虫の種類を断定します。



※カディスやメイフライも、細分化していけば、

コカゲロウだとか、アカマダラだとか、
色々ありますが、そういう選定はとりあえず置いておいて、

サイズとカラーを決めていけば、
おおよそ、ハッチマッチャーできます。


(水生昆虫が好きで、こういう選定に興味があればそういう細分化が
大変面白いのですが、今回はそういう方向性は置いておきます。
何故なら、カラーリングの違いだけでほぼ対応できてしまうからです・・)





そしたら、次に行うことは、



■縦の思考です。


縦の思考とは、

その断定した水生昆虫が、

川のどの層を流れているかを推測し、断定するということです。


水面上なのか、表層なのか、
中層なのか、川底なのか?


これも、おおよそでいいので川を観察して、断定します。


つまり、

「メイフライで、表層」とか、

「カディスで、川底」とか、

決めます。


この時、間違ってもいいんです。


決めて、それを試すということが、
まず、すごく大切な行動になります。


直感で決めてもいいですし、
今までのデータがある程度あるなら、
それを参考にして、とにかく決めます。

これでいくと、決断するのです。


そうしないと、何も始まりませんので。



そして、慣れてきましたら、

その他にも、カラーリングやサイズ、
流し方、リーダーシステム等も、組み入れていけばいいと思います。





■整理しますと。



1、水生昆虫をとりあえず特定する。(横の思考)


カディス
メイフライ
ストーンフライ
ミッジ(ユスリカ)

テレストリアル


のどれか?



2、流す層を特定する。(縦の思考)


水面
表層
中層
水底


どこの層を流すか?




そして、余裕があれば、



3、サイズを決める


1と2で決めたフライの

何番を使うか?


サイズが違うだけで、
反応は変わります。




4、カラーを決める





赤茶
黄色
オレンジ

オリーブ
クリーム
ピーコック


ボディーカラーや全体のカラーフォルムを
決める。


カラーで反応が変わることも多々あります。



3と4も意識して釣りを行うと、
より魚が釣れる確率は高まります。






■つまり



この上記4つを1から順番に選んで行くだけで、
実に多くの選択肢が生まれます。


いつも、2手3手で、煮詰まっている方は、
この思考の順番を意識して見てください。


1~4を、
順番にグルグルグルグルと、考えるのです。



まあ、

「ドライフライしかやらない」

とか、

「ニンフしかやらない。ドライは苦手」


という方も中にはいると思いますが、

多くの可能性を探ることの方が、
結果的に釣れるし、面白いと思いますし、

フライフィッシングの世界観が広がることは間違いないですね。






■その他のアプローチ


今回は、マッチザハッチについてのアプローチをお話しましたが、
実は、まだまだアプローチ方法は考えられます。

例えば、
マッチザハッチの概念に、アトラクティブな要素を、
大胆に取り入れてみる、とか。

マッチザハッチとはまったく関係ないアプローチを試みる、とか。


色々です。

ですが、今回はこの辺のノウハウは触れないでおきます。
あまり、広範囲になりすぎても、混乱するだけだと思いますので。



しかし、
まだまだ色んな方法論はあるということを、
頭の隅にでも置いておいて下さい。


つまり、

「こうでなければいけない」
「マッチザハッチでなければいけない」

というようなことは、ありません。


ということです。


自由に、一つの概念に縛られすに思考していくことが、
面白いんです。豊かなんです。


可能性を決め付けてしまうと、可能性はしぼみます。

思いつくままの自由な発想がないと、
今までの常識に縛られるだけの釣りになってしまいます。





ということで、今回はこの辺で。


いい季節になってきましたね。

川も鳥も魚も草木も、
みんな生を喜んでいる感じかする今日この頃です。


どうぞ、より良きフィッシングを。


Tight Line!







【編集後記・お知らせ】



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■伝えたいこと

本当は・・
私たちはもっともっと本来の自分の求めているライフスタイルを実現するべきなんです。
そのことが、生きる意味だとも思います。

少しだけ今までより半歩前へ踏み出すだけで、
それは実現へと向うのは分かっているのに、何となくやらないでいるだけです。

フライフィッシングをライフスタイルの中に取り入れましょう。
沢山の喜びと癒しと学びを、得ることができるでしょう。

あなたの人生を、自身の手で心地よく作り上げていくには、
フライフィッシングというスタイルはとても素晴らしい選択の一つであることは、間違いありません。

そのことを、伝えていきたいのです。
フライフィッシングのイデア(理想、哲学)を表現していきたいのです。



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