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タイトル :ロッドアクションとラインシステム考察その1
配信日時 :2013/11/19(火) 07:00

本文:

『価値あるものと見なされるこの世の全ての楽しみと比べてみても魚とり
これに勝るものはなし』

『説教する人、物書く人、専制する人、戦う人。利益の為か、娯楽の為か、
いずれにしても最後の勝利者これ魚とり』
By トーマス・ダーフィー 「釣り人の歌」
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しょうぶです。


これだ!というロッドには、なかなかめぐり合えません。
ここはいいけど、もう少しグリップが・・、とか。


あなたもそうではありませんか?




■ロッドアクションとラインシステムの考察

フライロッドには実に様々なアクションがあります。
ですから、ロッドを選ぶ際に迷っている人も多いと思うんですね。


ショップの店員に勧められたからとか、雑誌にいいと書いてあったからとか、
有名なあの人が勧めているから、とか色々だと思いますが、

自身の中に明確な基準がないので、何か良さそうだから買った、
という人も多いのではないでしょうか。




■飛ぶロッドこそすばらしい?


人間の本能というか、男の欲望というか、
とにかく遠くへ飛ばしたい、という願望はほとんどの人にあります。


なので、

「飛ばせるロッドがいいロッドである」

という結論を無意識に出している人も多いですね。



ですが、しかし・・・、本当にそうなのでしょうか?


ここは冷静に熟考してみたいと思います。


確かに、遠くへ飛ばせばそれだけ狙えるポイントも増えますから、
いい言尽くめという感じですが、実は、それによる弊害もあります。

どういう事かというと、
飛ばせるロッドというのは、基本的にファーストアクションです。


ティップアクションというか、つまり、

「硬い」

ロッドです。


細かく言えば、バッドは凄く硬いが、ティップは若干柔らかめ、とか色々ありますが、
総じて、飛ばせるロッドは硬いロッドであると言えると思います。


で、この硬いロッドというのは、細かなライン操作は苦手だったりします。


メンディングやラインの細かな操作というのは、
ロッドのしなやかなしなりによって成し得ます。



シューティングヘッドは重いです。
その重いヘッドを投げるロッドは硬いロッドがいいということになります。



5番のスイッチロッドのシューティングヘッドを投げさせてもらいましたが、
私の持っていた8番のシングルハンドの方が軽かったりします。


私の8番の方が、
手返しも良く、ラインの扱いもしっくりと簡単にできます。


シューティングヘッドのランニングラインは、基本的には細いレベルラインですので、
実は扱いも結構大変です。


メンディングは大変ですし、手元のライン操作もやりずらいんですね。

これ、思っている以上にやっかいなんです。ほんと。


これ、分かります?


まあ、最後は感覚の問題になってくるとは思いますが。




■5番より、8番の方が軽い?


実際、
5番ロッドより、8番ロッドの方が軽いし細いし、扱いやすい・・・、という
不思議な現象が起こってくることもあるのです。


つまりですね、

何を持って5番というのか?
何を持って8番と表記しているのか?

の基準が、

AFTMA規格だけでは、追いつかなくなっているんですね。



少し、話がややこしくなってきましたが、


例えば、
1番のラインを8番のロッドでも、十分投げられるんですね。


キャスティング練習では、
わざとそういうセッティングにして練習することもあります。
(何故かは、またキャスティングの話の時にでも)


逆に、3番のロッドでも硬いロッドなら、
8番のラインも、十分投げられます。


この感覚、実は結構大切だと思うんですね。


結局、
一つの判断基準として、何番ロッドは何番ラインということがあるだけであって、

最終的には、
自身の感覚がもっとも頼りになるということなんですね。



それで、私の場合、

釣りやすさ、扱いやすさという要素は、
飛ばせるという要素より数倍、重要ということです。





■魚は手前にいる


「遠くへ飛ばせば釣れるだろう」

「遠くへ飛ばせばカッコいいだろう」

と、多くの人は考えがちですが、


近場の魚をさりげなく釣っている釣り人。


遠くへ飛ばせる技術はあるのだけれど、

無理なくそつなく中距離のキャスティングしている釣り人が、
実は分かっている上手いフライフィッシャーだったりします。



※練習では、限界ぎりぎりのテンションで投げるということも必要ですが。





■接近戦の釣り


そして、更にそういう考え方を突き詰めていくと、接近戦の釣りに考えが及びます。

ボクシングで言えば、相手の懐に飛び込んでアッパーを繰り出すような接近戦。


フライフィッシングでは、
ショートディスタンスの釣り方がそれに当たります。

ポーリッシュやチェックニンフィングがそれですね。
至近距離で、狙いを定め、アグレッシブにタイトにフックセットしていく釣り。


無駄なシステムや考え方をそぎ落とした、研ぎ澄まされた釣り。
張り詰めた緊張感のある釣り。


武道にも似た間合いがある釣り。

一瞬の変化に間髪を入れずに瞬時に反応する釣り。


「考えるな!感じるんだ!」 李小龍


そんな言葉とシンクロするような釣り。



それがこの釣り方です。
http://europiannymphing.flyfishing-japan.com/fwd3/Letter






フライフィッシング私的大全(もっと遠く、もっと広く!)
http://www.flyfishing-japan.com/


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