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タイトル :フライキャスティングマインドセット
配信日時 :2013/02/16(土) 09:10

本文:

『価値あるものと見なされるこの世の全ての楽しみと比べてみても魚とり
これに勝るものはなし』

『説教する人、物書く人、専制する人、戦う人。利益の為か、娯楽の為か、
いずれにしても最後の勝利者これ魚とり』
By トーマス・ダーフィー 「釣り人の歌」
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■フライキャスティングと心の関係


フライキャスティングは、

あなたの心をそのまま映し出す鏡のようなものです。


心が煩雑になり、感情の起伏が大きいとき、
キャスティングループは、乱れてしまいます。



それは例えば、

釣りを始めて、

ポンポンとすぐ釣れると、調子に乗れるし、心が軽くなって
キャスティングもリラックスしていいループが出来るんです。


しかし、
目の前のライズが釣れない時などは、
イライラしてきて心は乱れ、雑なキャスティングになるし、力むし。


まして、隣の人が軽快にライズを仕留めていたら、なおさらです。

外的要因によって、内面は大きく変化し、
いかようにもキャスティングは変化してしまうんですね。



このことは、
上級者でも同じこと。


届きそうで届かない遠くのライズを狙っていると、
いつのまにか体も、腕にも力が入ってしまい、練習の時のように出来なくなっているのです。

グリップを握る手はガチガチに固まり、手の平には汗をかくほどです。


私も、同じです。



テーリングしちゃうんです。(涙)

平常心ではなくなっているんですよね。



つまり、

その時の、心の状態がそのままキャスティングに表れるんですね。
ウソはつけません。

取り繕えば取り繕うほど、ループは乱れます。飛びません。


そして、思うのです。


「修行が足りん!」


キャスティングは技術も大切ですが、
それ以上に内面、心が大切なんだと、改めてそう思います。



釣りという楽しい行為の中で、
いつのまにか、精神修行までできてしまう。


やはりフライフィッシングは、素晴らしく偉大な道楽です。


ですから、釣りに行くときも、このような事を意識して釣りに臨むと、
新たな意識が芽生え、釣りそのものもレベルアップ出来るんですね。


釣魚大全のアイザック・ウォルトンは、


「study to be qwiet」「静かなる事を学べ」



という名言を残していますが、


どんな時でも、心穏やかに平常心でリラックス出来ていることが、
人生でどれほど大切かを訴えているのです。


緊張した心の状態では、本来の力が発揮できません。


体を柔らかくして、心を柔らかくして、
脳ミソをやわらかくして、日々生きるべきなんです、本来は。


ですが、現実はそう簡単ではありませんよね。

常に何かしらの要らぬプレッシャーが掛かっていますし、
知らずのうちに、回りに洗脳されていたりします。


世の中はよく出来ていて、
前向きな人ばかりではありません。


自分の自信のなさを埋めるために
人を批判し攻撃し満足する人間もいます。


私は若い頃、まとわりつかれ散々足を引っ張られ、裏切られ続けた経験がありますので、
こういうことには、非常に敏感になっています。

まあ、人を見る目は養われたとは思いますが。




あ・・・、

ちょっと横道に逸れましたが、


何が言いたいのかというと、


人間が、本来持っている崇高で偉大な力というのは、
緊張した状態ではなく、心と脳ミソがやわらか~くリラックスしている時が、
一番発揮できるということなんです。

適度な緊張は、逆にいい効果を生むこともあると思いますが。


何ものにも縛られずに、どこまでも自由で、
自然と一体になっている時が、一番すばらしい自分の姿なんです。




そこで、フライキャスティングに戻りますが、


フライキャスティングは、
心も体も脳ミソも柔らかくしてくれる運動なんですね。ほんと。



ですから、日々の仕事に追われ部屋は散らかり、心は煩雑になっている時こそ、


「フライキャスティング」


をすると、いいんです。



ただただ、いいループが出来るようにキャストを繰り返すんです。
何も考えず、ただただ、美しいループが出来るようにキャストを繰り返すんです。


夕日の中にフライラインが踊り、その上を鳥が飛びます。
心地よい風が吹き、子供達がサッカーをしている声が聞こえます。


そして、次第にすばらしいループを描けるようになります。



そうです。完成です。


心は静まり、新たな活力が生まれてきます。

まだまだ、俺はやれるさ、と。


フライフィッシング、フライキャスティングの本質的な魅力は、
こういうことなんだと思います。


心地いい状態を日々、多く作っている人間は幸せです。
フライキャスティングは、心地いい状態を作るのには最適な運動なんですね。



それとですね、


釣り場でキャスティングの上手い人に出会ったら、
邪魔しないようにして、その人のキャスティングを遠くからず~と見るといいです。


上手い人のキャスティングは、見ているだけで心地よくなります。
心がす~とフラットになっていき、幸せ物質が体に充満していきます。ホントですよ。



上手い人というのはどういう人かと言うとですね、


「まったく力んでなく自然体で、それでいて躍動感のあるキャストをする人」


です。


力は入っていないけど、ループに力がみなぎっているキャストは最高なキャストです。



この状態を実現させるには、


「ロッドを信用し、ロッドに仕事をさせる」


ということです。



人間が入れる力は、
ロッドを保持する力と、ロッドをストップさせる力だけでいいんです。

振ろうと力を入れる必要はありません。


後は、ロッド自身が、そのバネのような強靭な復元力でラインを飛ばしてくれます。

この考え、感覚がとても大切です。


ぜひ、意識してキャストしてみて下さいね。




では、今号はこの辺で。

いよいよシーズン到来です。
今年はどんな魚たちに会えるのでしょうか。

楽しみですね~!
どうぞ、より良きフィッシングを!




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