【フライフィッシング進化論】 バックナンバー一覧

戻る

タイトル :渓流釣行記&バンブーロッド質問
配信日時 :2011/04/27(水) 22:40

本文:

『価値あるものと見なされるこの世の全ての楽しみと比べてみても魚とり
これに勝るものはなし』

『説教する人、物書く人、専制する人、戦う人。利益の為か、娯楽の為か、
いずれにしても最後の勝利者これ魚とり』
By トーマス・ダーフィー 「釣り人の歌」
-----------------------------------------------------------
最近、色々な方から連絡をもらいます。

そして、皆、楽しそうです。

続きは編集後記で。



■3月初旬渓流釣行記


穏やかなある日。

通いなれた渓に朝早く、到着した。

ゆるやかなプールで、ヤマメがライズを繰り返している。
ディンプルライズだ。

ライズの形態からして、ユスリカピューパの流下だと思った。
そそくさとサイケデリックイマージャーを結び、キャストする。

思惑通り、ヤマメは何の疑いもなくフライを吸い込んだ。
完全無欠のマッチザハッチ。


無敵のイマージャーフライ。
ヤマメの方から、堪らずにフライにアタックしてくる。
我を忘れたかのようだった。


頬を撫でるような風が心地いい。
エメラルドの流れが心を癒してくれる。

ひとしきり、イマージングを楽しんで休憩に入る。


正午になろうかという時間だった。
この時間帯は、水生昆虫の流下が変化し難しい釣りになる。

コンビニ弁当でお腹を満たし、川辺に立つ。


先程より少し下流のプールでライズがあった。
午前中と同じようなディンプルライズ。たまにスプラッシュする魚もいた。


まずは、サイケデリックイマージャーで反応を見る。
一瞬、ヤマメは反応し浮上したが、すぐに見切り水中へ消えて行った。

数投したが、同じだった。反応は下がっていった。


状況は変化していた。
流下する水生昆虫が見えない・・。
ユスリカではない・・。


残る可能性は、カワゲラだった。
オナシカワゲラか?

カワゲラは小さく黒っぽい。
ウイングは平べったくてほぼ目視できない。


まず、カワゲラのアダルトを流した。
ナチュラルCDCをウイングにしたドライフライだ。
ウイングにマラードダックを少し混ぜている。
グリズリーのハックルをパラリと巻き下はカットしてある。

#20。

一投目で、吸い込むようにヤマメはライズした。
20cmちょっとのきれいなヤマメだった。

この大きさでもバンブーは良く曲がり、
心地よい振動が手の平に広がった。

狙いは当っていた。


次に、オリジナルカディスピューパを結び、
イマージングしてみた。

カワゲラの流下なので反応はないと思っていたが、
25cmを超えるこの場所では大きめなヤマメがフライをひったくった。

電気ショックが腕に伝わり、
大きくバンブーをバッドからを曲げた。

イマージングで出たことに、満足感は高まった。


それにしても、
ライズを釣るのは、楽しい。

ほとんど重さのないフライをバンブーロッドで軽快に投げ、うまく流れに乗せる。
ティップのしなやかな反動が、滑らかにリーダーをターンさせる。

メンディングも小さい動作で自由に操作できる。
ラインが水面を舞い、踊る。

心が躍り、心が軽くなる。
重さのないフライと同じくらいに。



濃密な時間。
密やかな隠れ家での宴。
質の高い心の高揚感。
原風景の確認。


おだやかな、春の日。
トンキンケーンロッドと共に過ごす休日。

静かに釣りの一日は終わり、
ワインディングロードを車で下山する。


麓に戻れば、またいつもの日常だが、
あの透明な流れの一つ一つの思い出は、
街の雑踏の中でもいつも心を潤してくれる。






■バンブーロッドについて、ご質問を頂きました。



------ここから---------↓


初めてバンブーロッドを注文させていただきました、Mと申します。

私とFFとの出会いは20年になろうかといったところです。
その当時、私はブラックバスに熱中しておりまして、FFはたまに管理釣場に行く程度でした。

ある時、思いがけずFFの面白さを再確認し、FFを真剣に始めて3年目となりました。
しかし、FFは私の周りにやっている者がなく、パソコンでいろいろと情報を集めているとき、
FF大全のHPに辿り着きました。

FFの奥の深さが感じられ、到底私では、FFの世界の高みに行き着くことはできないだろう、
と感じられたことが思い出されます。

いつか、バンブーロッドを振ってみたいと思っていましたが、なにぶん高価な代物。
まだまだ駆け出しの私が持つべき物ではないと思っておりましたが
、貴HPでバンブーロッドが販売中であることを知り、
「これも何かの縁ではないか?」と考え、思い切って購入を決めました。

ですが、お恥ずかしい話、私はまだ駆け出しのフライマン、
誰かに師事したこともなく、すべて独学。

もちろん、バンブーロッドについては、まだまだ先のことと考えていたため、
使用や保管についてもどうすべきか見当もつかないといったところです。

購入にあたり、
バンブーロッド使用についての注意点などありましたらご教授くださればと思い、
メールした次第です。

また、一番気になるのが、ロッドの曲がりについてです。
その点についても自然物である竹でロッドを作るのですから、
曲がりはしょうがないものなのでしょうか?

曲がっていたら修正はできるのでしょうか?
なにとぞご教授くださいますよう、お願い申し上げます。



-----私の返信-----------


ご連絡ありがとうございます。

FFは見方によっては少し気取った感じもしますが、
釣るまでに一番楽しいことが多い釣りではないかと思います。

キャスティングやタイイング、
水生昆虫の観察や流れの読み方、フライの流し方など、
それぞれが奥が深く、その分楽しく密度の濃い時間をすごせるのだと思います。

私も最近でこそ仲間が少しずつ増えてきましたが、
ずっと一人で独学でやっていました。

おそらく、多くの方も同じよな状況だと思います。
そんな思いもあり、新しい形のコミュニティーを作れないかと
試行錯誤しています。

このバンブーロッドは、素直でいいアクションです。
私も様々な有名バンブーロッドを振ってきましたが、
その経験からおおよその価値は分かります。

このバンブーロッドはトータル的に自信を持ってお勧めできます。
ぜひ、楽しんで下さい。


バンブーロッドの取り扱いは、
丁寧さを心がければ、グラファイトとさほど変わりません。

注意点としては、
フェルールを繋ぐときは付属のワックスを塗った方がいいですね。
固着を防げますし、着脱が容易になります。

また着脱は、ブランクをねじらずにまっすぐ行ったほうがベターです。

保管は、湿気の少ない暗所がいいと思います。

ロッドの曲がりですが、
私のマイロッドではありません。

ラインを通すとラインの重さの分曲がりますが、
それだけしなやかな証拠ですし、
ラインをぬけばまっすぐに戻りますので、
さほど心配はいらないと考えています。

曲がりを気にするのは、何年、何十年も使い倒してからでいいのではないでしょうか。

もし仮に曲がりが発生したとしても、
釣りやキャスティングには基本的に大きな問題ありませんし、
修正もできます。

曲がりもバンブーの趣きぐらいに私は捉えています。



---------ここまで---------------↑



私も#4のこのバンブーロッドで、何十匹という魚を釣っています。
大きいので、40cm弱ぐらいですね。
さすがに40cmになると、ものすごく曲がりますしエキサイティングです。


やはり、しなやかなロッドですので曲がりが気になることもあります。
しかし、バンブーとはそういう性質なものですし、
だからこそ、他にはない独特のフィールを生み出せるのだと思います。

しなやかであるからこそ、強さもあるといった感じでしょうか。


好評です!
http://www.flyfishing-japan.com/index.php?bamboo%20rod%20set


私もずっと一人で独学でやってきました。
中々、身近にFFマンはいそうでいない。

あっちこっちに顔を出し、
コミュニケーションしていく処世術はなく、また時間もありませんでした。


夕暮れになっても一人川辺に立ち、
黙々とキャストを繰り返す釣り人。

帰りたくないのか、ただひたすら祈るようにキャストを繰り返す人。
いつしかシルエットになり、夕闇に溶けていく釣り人。

私は、そんなフライフィッシャーマンの味方でありたいと思っています。



■■フライフィッシング進化論/FFレジェンド倶楽部ミッション■■


このメルマガはフライフィッシングのメルマガですが、
何処そこで何々が釣れました、とかいうこと以上に、
その奥にある内面にフォーカスしたメルマガにしていきます。
(もちろん、釣行記やテクニック論も書きますが)

そして、

この広い世界の今の時代の日本で、
私たちがこうして出会った奇跡(もしくは必然)を思う存分楽しむために、
様々な視点で有益な情報を発信して行きます。





数ある趣味やスポーツの中で釣りをサンプリング(選ぶ)し、
更に釣りの中でも一番に知的好奇心をかきたてるフライフィッシングを選んだ私たち。
いや、選ばれたと言ったほうが、しっくりくるかもしれない。

同志といってもいいと思う。仲間である。
少なくても、このメルマガを読んでいるあなたを赤の他人とは思えない。

それが新しい時代の人の繋がりであり、関わるという大切な要素だと考える。


私は決心した。

それは一生涯の友としての付き合いをする、ということを。

つまり、私は勝手にあなたを友としたい。

仲間は守りあうもの、であるので、
私は様々な情報を発信し、少しでもお役にたてるように行動を取っていきたい。

時にそれは釣りから外れることもあるかもしれない。

しかし、

その内面を見つめたとき、
全ては繋がっている訳で、
巡りめぐって、釣りが上手くなっていたりする。
人生を楽しむ達人になっていたりする。





そんなソーシャルメディアにしたいと思っています。

具体的には、


環境問題(川、水、森、木、海)
資源問題
日本人とは

健康面、
体力面、

経済面、
自己啓発、
音楽、
哲学、
宗教、
芸術


など、
その時々で多岐にわたることになるだろう。

何故なら、

これらの様々な好奇心をかきたてながら釣りに行くことが、
立体的に複合的にフライフィッシングをとことん楽しむ術になるのだから。





■編集後記


最近になって、色々な方から連絡をもらいうれしいですね。


20年中国に住む方は、
これからFFに取り組むそうです。
日本人にとって未知の世界である中国でのフライフィッシング。
想像するだけで楽しいですよね。


カナダ在住の方は、FF歴20年。
初めてのバンブーロッドを私から購入して下さいました。
カナダはシーズンは短いようですが、
壮大で美しい自然に抱かれて羨ましい限りです。


北海道に住むメル友のRさん。
キャスティング練習に励んでいる内に、一念発起。
キャスティングの奥義を極める旅にでるとかでないとか。


今号のバンブーロッドの質問でも登場した、Wさん。
初めてのバンブーに少し戸惑いながらも、
フライフィッシングを存分に楽しんでいるようです。


共通することは、
皆それぞれのスタイルで釣りを楽しんでいることですね。


共通言語としてフライフィッシングがあるのかも知れません。


ですので皆さんも、
お気軽に連絡くださいね。


釣行記や、ご意見、アドバイスや質問等、
何でも結構です。


アウトプットすることが大切です。

http://www.flyfishing-japan.com/index.php?mail-form




では今号はこの辺で。


より良き、フィッシングを!




フライフィッシング私的大全(もっと遠く、もっと広く!)
http://www.flyfishing-japan.com/


配信解除はこちらから。
http://tinyurl.com/ygakyt9