【フライフィッシング進化論】 バックナンバー一覧
タイトル | :キャスティング片手理論、練習方法 |
配信日時 | :2010/01/16(土) 21:00 |
本文:
『価値あるものと見なされるこの世の全ての楽しみと比べてみても魚とり これに勝るものはなし』 『説教する人、物書く人、専制する人、戦う人。利益の為か、娯楽の為か、 いずれにしても最後の勝利者これ魚とり』 By トーマス・ダーフィー 「釣り人の歌」 ----------------------------------------------------------- こんにちは。 冬なので、 タイイングやキャスティング練習をするには、いい時期ですよね。 そこで今回は、 キャスティング練習のあれこれを書いてみたいと思います。 キャスティングがうまくいかない方は、ぜひ、参考にしてみて下さい。 ■キャスティングが何故うまくいかないのか? うまくいかない原因は必ずあります。 まず第一には、手首を開いてバックキャストをしている事が上げられます。 この場合は、単純に手首を開かずにキャスト練習をすることで、 改善されていきます。 しかし、 手首を開かないで、バックキャストもしているのに、 いまいちうまくいかない場合も多いのです。 今回は、ここにポイントを当てて話していきます。 ・ラインの重さをうまく感じていない。 ・ロッドをうまく曲げられていない。 よって、 ・ラインとロッドのパワーが分散してしまい、 へなへなループになってしまう。 キャスティングがうまくいかない場合、 こいう流れがほとんどです。 つまり、キャスティングの動作の中のどこかで、 パワーロスしているポイントがある訳です。 手首を開かないで、バックキャストしているのにもかかわらず。 それは何故か? 分かりますか? 考えてみて下さい。 ほとんどの原因は、実は・・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ つづく。 冗談です。 ここでつづくじゃ、怒られちゃいますね(笑)^^ ■実は、 「左手」にあるのです。 皆さん、ラインを左手に持った状態でキャスティングをしていると思いますが、 左手の動きに注意を払ったことは、ありますでしょうか? (ホールはしない基本のキャステインングの時) ロッドを振る右手ばかりに気がいってしまい、 左手は、無意識の動きに任せている事が多いのではと思うんですね。 ですがこの時、左手の動きは大変重要になってきます。 左手でラインを持ったままのキャスティングだと、 思った以上に、ラインの伝達ロスが発生しています。 つまり、たるみが大きく出来てしまっている訳です。 この事に気付いて意識している人は、あんがい少ないんですね。 たるみが出来るという事は、ラインの重さを感じづらい。 ラインを感じられないので、タイミングがずれる。 ループが乱れる。 という悪循環に陥ってしまいます。 ・体の動きと一緒に左手も動いてしまう。 ・バックキャストの時に、左手もロッドと同じ方向(斜め上)へ動いてしまう。 こういった動きをしてしまう方が、かなり多いです。 これでは、ラインのパワーを自らロスしてしまっているようなものです。 ラインも乗り様がありません。 ですので、 たるみが出来ない状態で、キャスティングをする事が大切なのです。 では、どうすれば良いか? ■キャスティング練習ののコツ 右利きを前提として話します。 まず、7m前後のラインを出します。 ラインは左手で腰の辺りで軽く摘んでいると思いますが、 ラインをグリップの所に持ってきて、右手で一緒に握ってしまいます。 左手はフリーです。 この状態で、キャスティングを開始します。 右手だけを使うキャスティングです。 綺麗なループが作れるように集中して、 そして力まずに何度もフォルスキャストを繰り返します。 何十回と繰り返します。前後を一回として最低でも50回はやりましょう。 途中で止めないで下さい。 何度かキャストして、そこそこうまく出来たので止めてしまっては、 効果はほとんどありません。 体がその感覚を憶えるまで、やってみましょう。 途中でラインを地面に置かないで、 最低50回、出来そうなら100回やってみましょう。 集中力を持続してください。 劇的に旨くなっているはずです。 これをワンセットとして、 休憩を少し入れて、3セットやってみましょう。 右手もジーンとしびれがあるかもしれません。 でも、その分キャスティングが格段に上達することは保障します! 時間にして、たった20~30分のトレーニングです。 ■効果 このキャスティング練習は、 ラインがロッドに乗る感覚を養うのに非常に効果的です。 ラインの重さをダイレクトに感じます。 ラインの重みをしっかり感じながらフォルスキャストを繰り返すと、 タイミングのつかみ方や、ラインコントロールが劇的に向上します。 意図して、ナローループを作ったり、ワイドループを作ったり。 簡単にコントロール出来るようになります。 この感覚を忘れないように、何度も練習して下さい。 ■その後 この練習で感覚をつかんだら、 いつものように、左手でラインを摘んでキャスティングしてみます。 ポイントは、左手を固定する事です。 腰のあたりで左手を固定し、そこに支点を作るのです。 フォワードキャストでもバックキャストでも左手は、動きません。 ラインが弛まずに、ピーンと張った状態を保持して下さい。 いままでよりは、キャスティングが旨くなっている事に驚くはずです。 ラインも伸ばしていき、12m前後できれいなループを作りながら、 キャスト出来るようになれば、ほとんどのシングルハンドフィールドはカバーできるでしょう。 ■さらにその先 今までの話はつまり、 ラインが弛まない事が非常に大きな役割を担っている、という話です。 で、 ラインが弛まない状態を、意図して出来る技(動き)があるのです。 もう、お分かりですよね。 そうです。それが、 「ホール」 なんですね。 フォルスキャストを繰り返しながら、 左手をラインを摘んで腰のあたりで、固定していますよね。 その左手を、バックキャストに入る時、フォワードキャストに入る時に、 クンと少しだけ引いてみて下さい。 (ホールのタイミングも厳密に言えば、更に色々ある訳ですが、 今回は、それぞれのキャストに入る時でOKです) この動作で、ラインの弛みは無くなります。 そして、ラインスピードも上がっている事に気が付くはずです。 最初はあまり大きな動作で、ホールをかけないで、 チョン、チョンと軽くホールして下さい。 そして、そのタイミングを覚えてしまえばラインコントロールは格段に上がり、 ラインにもてあそばれていた状態が、ラインを自分の意思で どうにでも操れるようになっていけます。 ここまで来れば、しめたものです。 後は、徐々にホールを大きくしていき、 ダブルホールまで進んでいきます。 ダブルホールは、また色々とやり方がありますので、 次の機会の時にでも・・。 上級者の方も、今回の片手キャスティングで タイミングのずれやフォームの癖を直せますよ。 お試し下さい。 ■編集後記 いや~寒い日が続きますね。 風が強かったりすると、釣りも修行しているみたいです。 でも、世界はやはり広く、 カナダ在住のHさんから、 「-30℃になり、川が全面凍結したので今期の釣りを終了しました。」 と、一ヶ月くらい前に連絡を貰いました。 冬の富士山山頂付近が、-15℃~20℃という事ですから、 どんだけの寒さなのか想像もつきません。 北海道なら、近い状況もあるのかな? やはり、芸術は忍耐を要するのでしょうか!? それでは、今回はこの辺で。 寒さに気をつけてより良きフィッシングを! フライフィッシング私的大全(もっと遠く、もっと広く!) http://www.flyfishing-japan.com/ 配信解除はこちらから。 http://tinyurl.com/ygakyt9 |