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タイトル :幼なじみの死と釣り
配信日時 :2025/02/07(金) 21:00

本文:


大井です。



先日、

幼なじみが亡くなったと連絡が来ました。


最近は疎遠になっていたのですが、

長い付き合いだったので、

彼との思い出が走馬灯のように駆け巡りました。



二人乗りバイクで軽井沢へ行き、

対向車と衝突寸前回避で命拾いしたこと。


佐渡ヶ島に行き、

シュノーケリングで魚と戯れ

クラゲに刺されまくったこと。


居酒屋でアイツと殴り合いのケンカになり、

店の半分をめちゃめちゃに破壊してしまったこと。


釣りに誘い、

貸したロッドを小枝を折るように、

いとも簡単に折られたこと。



何年も前に離婚したようで、

おそらく独りぼっちの寂しい晩年だったと想像します。


身体はデカいヤツだったのですが、

心根は優しく、

人に気を使い自分の本音はいつも隠されていた。



アイツを思うに、

おそらく、混乱の中の人生だったと思います。


人に対する優しさに隠された、

行き場のない劣等感。徒労感。

その感情を、酒で紛らわす日々。



酒に飲まれ、

我を失うまでやめず。

実際、我を失いたかったんだろう。


病気や怪我が絶えない日々。

何が、アイツを追い詰めたのか。


それは、

自己感情だけを頼りに生きてしまったからだと

私は思います。



人には、

適材適所があり、

アイツの特性を活かせた適所はあったはずなのに

最後までそれを見つけられなかった。



何故こうなってしまうのか。


物事を、

世の中を、

自身を、

内的起伏を棚に上げた状態で、

ロジカルに分析出来なかったこと。


これが、

混乱の中から脱出出来なかった最大の要因だと私は考えます。



下世話な感情に流され続け、

その事にまったく気付かず、

気付かないから修正のしようもなく、

暗闇に落ちていく以外他に方法が見つからない。



そういった日々は地獄だっただろう。

その地獄から解放され、少しは楽になったのかも知れない。



アイツの死から想うこと。


それは要するに、

混乱の中でモガクことが努力だと、

勘違いしてしまった人生。


こういう人間の虚しさ、悲しさ。



メディアに洗脳され騙され、それに気づかず、

SNSで憂さ晴らしするつもりが完全依存に陥り、

正義を高らかに掲げて弱者から金を巻き上げるカルト、

依存の連鎖と和を履き違えている集合体。

カオスがカオスを生む構造。



それでも、

どうにか平和を保っている日本はまだマシなのか。



一方で、

混乱の正体を見極め、

カオスの渦をスッと抜け出られる術を持つ、


こういう人たちも、

少ないけど一定数はいるんです。 



誰にでもある劣等感。

誰にでもある良心と悪意のせめぎ合い。

天使と悪魔。



劣等感を、

自己の成長のエネルギーに変えられるか否かは、

つまりは、

自己を離れたロジカルな分析が

出来るか出来ないかに掛かっている。



世間一般でいう頭の良さというのは、

学歴や肩書きなどの、

あやふやな個人の都合であることが多いが、

実際は、そんな表層のことではない。


実際の実質的な頭の使いどころとは、

劣等感をポジティブエネルギーに変換出来る

論理立てた思考に他ならない。



そして、

ロジカル思考の最も重要なポイントは、

言葉による表出力、


つまり、

言語化能力なのである。


言葉に表せない状態は、 

「ぼんやりとした混乱状態」

なのであり、


これが脳内で常態化してしまうと、

意識下で、

膨大な自己矛盾や不合理が膨れ上がってしまう。



暗闇は薄ら寒く広がり続け、

その暗闇から目を背ける為に、


人は、

何かに依存し続け、

我を忘れていく道へと落ちていく。



それは、

酒かも知れないし、

ギャンブルかも知れないし、

インチキ教祖かも知れないし、


釣りかも・・・知れない。



そう、

釣りも十分依存行為だと思うけど、


ところが、

フライフィッシングにある救済機能は、

上手く使えば、

人を「本来の場所」へ誘ってくれる。

地獄から救い出してくれる。



フライフィッシングにある救済機能とは何なのか。

それは何なのか。


何があなたをフライフィッシングに向かわせるのか。

カオス(混沌、無秩序)との向き合い方なのか。




アイツには、

アイツ特有の能力や才能はあった。


彼が自然と戯れる時、

周りの人間を幸せにした。

誰よりも生きる喜びに満ち溢れていた。


その固有の特性をしっかりと

自分の手で掴めないまま終わっていった。


最後まで、

世の中の真のロジックが分からないまま、

混沌の中に座してしまった。


純真な想いは踏みにじられ、

現代社会に圧迫され続けた人生だっただろう。



人は、

誰でもその人固有の能力はあり才能はあるはずだ。


しかし、

「能力や才能を活かす能力」

が、別途で必要なのである。



この一つの真理は、

人の人生を決定的に決めてしまう力がある。



混沌の渦中に居て巻き込まれず、

自己の精神を健やかにに育む力が我々には必要なんだ。






アイツが海でトドのように泳ぐ姿が

忘れられない。















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