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タイトル :ドライフライの爆釣の戦術 番外編
配信日時 :2017/04/27(木) 07:00

本文:

『価値あるものと見なされるこの世の全ての楽しみと比べてみても魚とり
これに勝るものはなし』

『説教する人、物書く人、宣誓する人、戦う人。利益の為か、娯楽の為か、
いずれにしても最後の勝利者これ魚とり』
By トーマス・ダーフィー 「釣り人の歌」
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ドライフライの爆釣の戦術 番外編


大井しょうぶです。




ドライフライの釣りというのは、


何も、ドライフライだけでなく、
ニンフを水面上に流してもいい訳ですし、

ウエットも同じです。


インジケーターが付いていないと釣りにならない場面もありますが、
(流れが速く複雑なポイントなど)


結構、インジケーターなしでも何とかなるケースも多いんです。



ですから、
ニンフやウエットをそのままドライと同じような感覚で、ライズにアプローチしてみても、
面白い結果を得られることも少なくありません。



湖では、ストリーマーを浮かべても釣れますよね。
浮いて漂っているワカサギとか。


管釣りでも、マラブーを浮かせていたらライズすることもなきにしもあらずです。



なので、
ダンやスピナー、アダルトの釣りばかりが、ドライフライではないということです。


ヨーロッパでは、川でフローティングストリーマーを引っ張り、
デカレインボーを釣ることもそこそこポピュラーですし。







■アンマッチザハッチ



マッチングザハッチに対して、


マッチングザ ベイト

マッチングザ キュリオシティー(好奇心)

マッチングザ アパタイト(本能)

マッチングザ スパークル(きらめき)

マッチングザ アジテート(撹拌、扇動)





なども、

ドライフライの要素の中に入ってくるんだと考えていますけどね。


これはドライだけではなく、すべての釣り方に共通する要素ですけど。



魚が何で口を使うのか?

は、

捕食の為だけではなく、
様々な要因が潜んでいるんでしょうね。




他にも、

リアクションバイトという観点で思考してみれば、


カラーリアクション

シルエットリアクション

紫外線リアクション

Prey first(先に捕食する)リアクション


なども、とても興味深い魚の捕食行動です。




Prey first(プレイファースト)なんて、


集団心理が働き、セレクティブさも失われ、
我先に捕食するという、魚の生存心理が前面にでている行動だと思います。


管理釣り場で群れている魚たちには、こういう捕食行動が多く見られます。


「他の奴らに食われるのなら、俺が先に食ってやる」


という。


面白いですよね。



人間も、時として同じような行動を取ることも、
実は、かなりありますよね。



というか、ほぼ、


そういう心理で社会の営みは行われていると言っても過言ではないでしょう。
(よく考えてみると恐ろし・・)



群れの集団心理は時として、感覚を麻痺させる訳です。
防衛本能や危険察知能力が低下してしまうからです。


人間の持つ集団心理の怖さは、歴史が証明していますよね、何と言っても。



話が広がってしまいましたが、

魚の捕食行動というのは、
色んな要素が重なり合っている訳ですから、


フライをタイイングする時には、
水生昆虫の模倣だけに拘らずに、常識に捉われない自由な発想で巻いても面白いと思います。


これが、案外難しいんですけど。




自由な発想。


ん~、これが簡単そうで最も難しい概念ですね。



お手本通りにやることが、一番安全であり手堅い訳ですから、
人は、そう流れてしまいがちです。



でも、そこで、

これもありなんじゃない?

こんなのは、面白いんじゃない?


という遊び心が、何かを生むのかもしれませんし。







■ホットスポット


ドライフライにホットスポットを取り入れる。


ホットスポットというのは、ユーロニンフのフライの大きな特徴であり、
他のナチュラルなニンフとは一線を画すテクニックです。

これを取り入れることで、抜群に釣れるニンフフライに変身することが可能です。


そこで、
このホットスポットをドライフライにも取り入れてみるとどうなるのか?


色々試してみましたが、
やっぱり、予測通り魚の反応がは上がるんですね。


つまり、
今まで巻いていたナチュラルなドライフライにホットスポットをワンポイント入れてみる。


例えば、CDCダンとか、ユスリカアダルトとか、エルクヘアーカディスに、
ホットスポットを入れてみるんです。


たった、それだけで、
嘘のように反応は上がることも多々あるんです。


まったく、面白いのです。
こういうのって。



ホットスポットのカラーリングというのは、例えば、
赤、イエロー、赤金、黒金、チャートリュース。


こういう要素をナチュラルなドライフライに入れてみると、
また、面白い反応が得られるんですね。






■アンバランス


ドライフライは、バランスよく巻くことがいいとされています。
特に、ウイングなんかは左右対称で均一な長さと大きさで、というような。


でもしかし、
本物の虫は、きれいなバランスのまま流れることばかりではないですよね。


流れに揉まれたりしながら、生きるか死ぬかの戦いを繰り広げているのですから、
羽の片一方が縮れてしまったり、もげたり、縒れたり、

その形態は、様々なのが本当のところです。


なので、フライも、


バランスを重視するより、アンバランスを意識的に取り入れ、
巻いてみるというのも、エッジの効いた戦術だと思います。


スペントなんかは、ベタッと水面に羽を付けて流れている形態を模したものですが、
そのウイングをアンバランスにしてしまうと、

より、リアリティーを出せ、より生命感を醸し出せるはずです。


(私も、たまたまバランス悪く巻いた失敗フライを、
たまたま他にいいフライがなくなったので使ったみたら、
その日、一番の反応を得られた、ということがありました)



この時の生命感というのは、
水生昆虫の絶命寸前の儚くも美しい生命感という意味合いが強いかも知れません。


あと一歩で、羽化に成功し大空に飛び立てたのに、
その夢破れたり・・、というような。


よく考えると、なんとも切ないフライですが、
こういうところに、奥深い面白さ、気付きが潜んでいるのだとも、感じるんですけどね。







ということで、今号はこの辺で。



Tight Line!









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■伝えたいこと


本当は・・

私たちはもっともっと本来の自分の求めているライフスタイルを実現するべきなんです。
そのことが、生きる意味だとも思います。

少しだけ今までより半歩前へ踏み出すだけで、
それは実現へと向うのは分かっているのに、何となくやらないでいるだけです。

フライフィッシングをライフスタイルの中に取り入れましょう。
沢山の喜びと癒しと学びを、得ることができるでしょう。

あなたの人生を、自身の手で心地よく作り上げていくには、
フライフィッシングというスタイルはとても素晴らしい選択の一つであることは、間違いありません。

そのことを、伝えていきたいのです。
フライフィッシングのイデア(理想、哲学)を表現していきたいのです。




そして私は、釣りを釣りで終わらせたくありません。

これからの時代は、

「釣りを釣りで終わらせない」

思考能力が必要だと思っています。

何故なら、
史上最高の激動の時代(カオスの時代)に我々は生きているからです。


資本主義は限界値を超えている
AI(人工知能の台頭)
情報の氾濫につぐ氾濫
近隣国の不穏な動向


釣りをする為にロッドはありますが、
世界観を押し広げる為の大切なツールでもあるのです。


視野の広さ、洞察力、直観力、主体的に考え抜く力。
これらを、釣りという楽しい遊びを通して身に付けていくべきです。

でないと、もったいなさすぎます。


だから、時には釣りと直接関係ない話や、
ちょっと挑発的な問い掛けもするかも知れません。

でも、そのことであなたがインスパイアーを受け、
何かに気付き、何かの行動の起爆剤になれるのなら、私は、そのことが非常にうれしいのです。


我々の時間は限られています。
今、後悔のない完全燃焼の人生を自らつかみ取る為にロッドを手に取るのです。


「釣れればいい」「たくさん釣れればそれでいい」「でかいのが釣れればいい」
という表層の事象ばかりでなく、その先にある、まだ見ぬ景色を自ら見にいく為に。








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